役者の違いを見せた南潤
玉野記念シリーズ最終日の11日、本社杯「第111回生ルーキーチャンピオンレース(若鷲賞)」が、一発勝負で行われ、圧巻の逃走劇で南がV。
別線の動きを待つことなく、3車で結束した愛媛勢の先頭を務める門田が赤板で飛び出す。愛媛トリオに門脇が続いて、前受けの南は5番手でチャンスをうかがった。門田は迷うことなくペースを上げるが、打鐘の2センターから南が踏み込む。南後位にいた牧田は遅れ、主導権を握った愛媛勢の番手の松本も気づいた時にはすでに遅く、横に振るのが精いっぱい。一瞬で後続を置き去りにした。
「ちょっと脚見せではいい感触じゃなくて、重いなっていうのがあった。そしたら僕だけじゃなくて、みんな重かったんですね。ジャンのところで緩んだんで、後ろに先輩とかが付いていたら行ったんですけど。単騎なんでまだ長いかなと。(打鐘の2センターで)先に仕掛けてもつかなっていうのはあった。でも、逃げ切れてよかったです」
自力に転じた松本が、南を追うがなかなか空いた車間は詰まらない。ひとり旅を演じた南がインパクトのある逃走劇で、卒業記念次いで同期との争いを制した。
「着というより自力を出して、見せ場をつくりたいっていう思いがあった。それで勝てたら脚があるっていうことなんで。卒業記念は人の後ろで勝ちにこだわってたんで、今回(ルーキーチャンピオンの優勝)の方がうれしいです」
すでに同期でただひとりS級優勝を経験。1月和歌山記念では決勝にも進出と、順調に出世街道を突き進んでいる。これからも南が同期をリードしていくのは間違いない。
最終ホームで自力に転じた松本は、まくりで南を半車身まで詰めたところがゴール。
「(南は)もっと後ろにいると思っていた。気づいた時にはビューンって行っちゃってた。(最終)バックでは追いつける予定でいたんですけど。うまく踏み直された」
「(南が仕掛けた)あそこのポイントに尽きる」とは、愛媛ライン3番手の今野。現状での力差を痛感する。
「(南が)横に来てしまってからだった…。僕がもうちょっと気をつけていたら。ただ、いい経験ができたんで、まず級を(S級に)上げたい」
山崎は打鐘では前との車間が大きく空いた8番手で、見せ場をつくれなかった。
「(愛媛勢が南を)引かせると思ってたら、あのまま駆けちゃった。自分は(別線の)動き待ちになってしまった」