因縁の平塚でつかんだV
平塚競輪場で開催された日本選手権競輪3日目の5月3日最終12レースに、「ガールズケイリンコレクション2018平塚ステージ」が行われた。栄冠に輝いたのは、まくった児玉を4分の1車輪とらえた石井。通算3回目のガールズケイリンコレクション制覇を達成した。
「去年の半ばから終盤にかけて、自分自身が変わらなきゃっていう岐路に立たされました」
昨年末、当所で開催されたガールズグランプリ2017。石井は賞金ランキング7位ながら、12月は違反点数によるあっせんをしない処置で出場がかなわなかった。その悔しさを胸に、今回から導入されたトライアルレースの1月松戸で、今回の出場権を獲得。そんな石井に勝利の女神は微笑んだ。
「5カ月前はここを走ることができなかったんですけど、こうしてシャンパンファイトができて幸せです」
6番車と車番には恵まれなかったが、「号砲とワンテンポずらして発走した」と、1車でも前を狙う他選手の内からスッと上昇し、初手で4番手を確保する。
「後ろから入っていって取れた位置からだと思っていました。そうしたら、前が児玉選手だったので。(道中も)慌てちゃダメだと思って落ち着いていました」
打鐘直後から児玉の後ろはごちゃついた。それでも石井は、持ち前の気合で後位をキープ。こん身のハンドル投げでゴール線できっちり児玉をとらえた。
「3月からギアとフレームを変えて、余裕を持って準備してきた」
メンバー中、1番重たい3・79のギアで挑んだ石井の伸びが光った。
「目の前のレースを頑張ってきた結果だと思います。(今後も)目の前のレースを一本、一本頑張ることがすべてだと思うし、グランプリに向けて頑張りたいです」
今年こそグランプリの地、静岡で石井が女王の座を狙う。
児玉は大舞台で4度目の準Vに涙をのんだ。
「最後ですね。ゴールまで粘れなかった。何が足りないんですかね…。でも、練習もしているし、こういうスタイルで走る方が負けた時に気持ちが違う。これからもこのスタイルでいきたい」
最終2センターから石井の内を踏んだ鈴木が3着。
「4コーナーでまだ力があって、外を踏みたかったので悔しい。でも、これも次につながると思います」