郡司浩が絆の力でV
4車で強力布陣を敷いた南関勢。先頭の近藤が赤板で主導権を握り、流れは向いたかに思われた。しかし、叩かれた清水が、打鐘の2センターから巻き返して近藤をねじ伏せる。「行かれたのは誤算でした」。窮地に陥った郡司だったが、すぐさま井上を捌いて清水を追いかける。徐々に空いた車間を縮めると、追いつきざまに仕掛けて2年ぶりにこの大会の優勝を手にした。
「本当に(近藤)隆司さんが頑張ってくれて。何とか勝てました。(このVは)ラインがあってだと思います。1人の力じゃないと改めて思いました。優勝以外は意味がないと思っていたし、結果が出て嬉しい」
昨年はGP出場をかけた賞金争いに加わるも、あと一歩で届かなかった。今年もここまで優勝はゼロと、苦しい日々。それでも、郡司の心は折れていなかった。
「今年はなかなか優勝は難しかったですね。でも、苦しい時期は長かったですけど、いつかG2、G1(の決勝)で戦おうと思ってました」
現在の競輪界は、脇本雄太を中心とした近畿勢が席巻。後塵を拝する南関勢だが、絆の力で強敵に対抗していく。
「次に静岡とか松戸とかを走る時は、前でしっかりやりたい。本当に、そういう積み重ねだと思う。競輪はラインとかでいろいろカバーできるし。南関は団結してやっていきたい」
この優勝をきっかけに、再び頂へ。今年も南関地区で行われるグランプリに向けて巻き返しを図る。
「選手をやっている以上は、(GP出場が)永遠の目標。そこに近づけるように。今年はG1があと2つありますし、9月に共同もある。まずは、決勝を目標にして頑張りたい」
中村は、郡司の仕掛けを追走して準V。南関を1つにまとめて絆の力を示した。
「(清水に行かれて)ヤバいと思ったけど、郡司君が反応してくれた。地元の郡司君が優勝して良かった。南関でまとまれたし、(今後も南関の結束力を)見せていかないと」
清水ラインを追った木暮は、2センターで張られた井上のあおりを受けてしまう。すぐさま井上の外を踏み込んだが、郡司に屈して3着まで。
「あそこ(清水ライン)に付いていれば、チャンスはあると思って。あおりがなければ行けていたと思う。お客さんも(車券を)買ってくれているし、確定板には入らないと」