池田憲がG3初制覇
すべては、この瞬間のために準備していた。輪界のスピード化に乗り遅れることなく、タテ脚を磨いていた池田。その成果を大一番で発揮した。小川真の番手から追い込み、デビュー14年目でG3初制覇を飾った。
「小川真と後ろの岩津さんのおかげです。(昨年からまくりを出しているのは)今の競輪はタテ脚がないと厳しいし、チャンスがいつくるかわからないので。小川真とかは20代だから、今後もチャンスがあるけど。俺は獲れる時に獲っておかないと。こういう時のためにですね」
前受けから中団に引いた三谷が中川を警戒していると、先に動いた小川真は誘導を降ろして先行策に出る。「想定外でした。三谷がすぐに来て、簗田が来るかどうかで、近畿の後ろの3、4番手かなと思っていた」。ホームから三谷が仕掛けるが、出切れずに3番手をキメにいく。押し込まれた岩津と併走になった池田だったが、外で併走しながら踏み込む。直線で鋭く伸びて激戦を制した。
「外でも余裕がありました。でも、中川さんがどこまで来るかわからないし、無我夢中でしたね。(優勝を確信したのは)ゴール線くらいです」
今後は地元の高松記念、そして全日本選抜とプレッシャーのかかる大会が続く。それでも、気負うことなく一戦集中の走りで戦う。
「目標は本当にないんですよ。地元記念とかも関係ない。F1でもレースは一緒だと思う。ただ、高松記念の前に追加で走りたいですね。レースを走ると脚の張りも違うので」
浅井康、新田祐らタイトルホルダーを輩出した精鋭の90期から、また1人記念覇者が誕生。池田が若手の台頭が著しい中四国を束ねて、今後もグレード戦線で暴れまわる。
三谷が不発と見た東口は、中四国勢に切り替える。最終2センターから外を回したが、届かず2着。
「見栄えの悪いレースをしてしまった。準決勝まではリラックスして臨めていたけど、発走機についたら、ものすごい声援があって。3番手からでも優勝を狙うつもりではいたので、その気持ちが強く出過ぎてしまった。このことは今後のレースでしっかりと返していきたい」
椎木尾は切り替えた東口を3コーナーから追いかける。コースを探して直線勝負に賭けたが、届かず3着。
「ごちゃついたのでコースを探しながらでした。でも、結果が結果なので。また、頑張っていきたい」