戦力充実の近畿勢
S班2人、さらにベストメンバーをそろえた地元カルテットもいる近畿勢が強力だ。三谷竜生はこれで2年連続となる和歌山グランプリからのスタート。昨年大会決勝は武田豊樹のブロックで7着に敗れたが、その後は2月高松での記念初優勝を皮切りにダービー、宮杯とG1連覇も飾るなど破竹の進撃を続けた。2年連続のS班として今シリーズは近畿勢の主軸を担う。村上博幸は4年ぶりのS班復帰。昨年は全日本選抜から3大会連続でG1の決勝に勝ち上がるなど安定していた。今シリーズも三谷に南潤、稲毛健太とスジの目標は豊富で優勝のチャンスは十分だ。昨年度覇者の東口善朋をはじめ、最強メンバーで臨むのは地元勢だ。東口は昨年大会が記念初優勝。6月静岡の落車もあり昨年中盤は調子を落としたが、後半戦は1着も増えるなど調子を戻している。東口に続き、悲願の記念初優勝を狙うのは地元勢で点数最上位の椎木尾拓哉だ。12月四日市記念で落車の影響はなく、スケジュール的にもここまで十分な準備期間がある。昨年大会は二次予選で無念の落車、失格。悔しい思いは同じ舞台で晴らすしかない。自力は稲毛健太、南潤の2枚看板。稲毛は昨年こそ欠場となったが、初出場だった12年から当所記念は5年連続で出場して優出2回。南は初出場、初優出した昨年の再現を狙う。
武田豊樹は今年も和歌山から始動する。和歌山記念は過去3度の優勝を誇る相性のいい大会。昨年は失格に終わったが、きっちりと決勝に駒を進めていた。不安なのは昨年後半に落車が続いた点だが、グランプリに向けた1カ月でケアも含めて上積みしてくるはず。横山尚則、金子幸央と栃茨の若手と組んで4度目の当所記念制覇に挑む。
東日本勢には新山響平、和田真久留に簗田一輝と他にも力のある機動型は多い。なかでも新山は直前の佐世保記念でも4日間主導権を握って決勝3着と状態はいい。先行力はシリーズ随一といってもいいだろう。年末に体調を崩した和田圭だが、立て直せれば新山の番手で好走必至。南関の機動型がそろって和田健太郎にもチャンスだ。
中川誠一郎のスピードも争覇の一角を占める。和歌山は2年前に浅井康、村上義らを破って記念Vの実績があるバンク。昨年も記念3度の優勝と勝負強さを見せていただけに、そろった近畿勢やS班とも互角の勝負が期待できそう。12月広島記念では中川に離れ続けた大塚健一郎だが、2月には地元ビッグが控えているだけに、ここからエンジンをあげていきたい。
中四国勢は小川真太郎、取鳥雄吾の自力型に岩津裕介、池田憲昭となかなか粒ぞろい。小川は昨年夏の鎖骨骨折から立ち直りつつあり、取鳥もダッシュを生かした走りで気配は良好。岩津や池田にも十分にチャンスはありそうだ。