• 名古屋競輪 第63回オールスター競輪8/12〜8/16

後記 GⅠ 名古屋 08/12

松浦悠士が2度目のG1制覇

松浦悠士

松浦悠士

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 ラインの仲間たち。そして持てる力とテクニック。松浦悠士がすべてを結集して、最後は脇本雄太に踏み勝った。
「(脇本に)ちょっと出られて厳しいかと思ったんですけど。脇本さんもキツそうだった。僕も苦しかったけど、(原田)研太朗が頑張ってくれたんで、それに応えようと思って精いっぱい踏みました」
来年に延期になった東京五輪の日本代表に内定している脇本は、自転車競技だけでなく、競輪でも押しも押されもしない日本のエース。初日のドリームでも単騎で逃げ切っている脇本を倒すのは簡単なことではなかった。
3車で結束した中四国ライン。原田研太朗が脇本を相手に積極策に出てレースの主導権を握った。それでも最終ホーム手前から抜群の加速力で脇本が迫ってくる。
「脇本さんも(最終)ホームで仕掛けて来て、自分がなんとか合わせられたかなと思います。(1コーナーで)波をつくっても越えてくるだろうとは思った。ただ、なんとか少しでも(脇本が)消耗してくれたのかなと思います」
最終1センターで脇本に当たったが止められず、番手まくりを打った松浦だったが半車身以上出られて3コーナーに突入した。
「(脇本に)出られてからも半周以上ずっと併走になったんですが、当たることによってフォームも崩れますし、それで一矢報えたかなと思います。(4コーナーで脇本に当たって)引っ掛けて前に出ようと思った。タテの脚だけではなかなか厳しいので、すべてを使ってなんとか勝てました」
最終コーナーで盛り返した松浦は、2センターと直線の入り口、2度にわたり外の脇本に当たってスピードを鈍らせる。ハンドル投げでは松浦が体1つ分の差をつけて確信のゴール。2度目のG1制覇に松浦が右手を高く挙げて、画面を通してファンにアピールした。
「(脇本に勝てたのは)ラインの力でなんとかっていうところでもある。これがもし自分の力だけだったらどうだったのかなっていうのは、常に課題としてあがる。本当に自分が自力で個人の力で倒せて、やっと(脇本を)越えれたかなっていうことではあると思います」
昨年11月の競輪祭で初タイトルに輝いた。しかしながら、その競輪祭はナショナルチームの活動に専念していた脇本が不在。それだけに脇本をくだしてのこのオールスターVは、ひと味もふた味も違うものだろう。
「やっぱりタイトルを獲るために選手をやってるので、常にG1タイトルっていうのは欲しい。グランプリがこれで決まったので、グランプリ優勝目指して、また精いっぱいやっていきたい」
競輪祭、ウィナーズカップと2度のビッグ優勝でともに連係した清水裕友が、今シリーズは途中欠場を余儀なくされた。それでもラインの力でつかんだ2度目のG1優勝。これから中四国をリードするめにも、個の力で脇本に打ち勝つためにも、松浦はさらなる精進を誓うのだ。

1番人気に支持された脇本雄太だったが、別線の包囲網を突破できず2着となった。
「あれはキツい。(最終)ホームで出切るくらいのタイミングで行ったけど、内藤(秀久)さんの一発はデカかった。内藤さんの斜め後ろで構えていって、ホームでハラケン(原田)の横を通過する予定だったがダメだった。初手の位置取りでモガき合いは確信しました。あんなきれいな6対3はキツい。これも競輪だし仕方ない。最終ホームでハラケンの横を通過できなかった時点で俺の負け。負けたけど勉強になりましたし、楽しかった。お客さんがいないなかでも、迫力あるレースはできたんじゃないかなって思います」

脇本をマークした古性優作は、最後の直線で外を踏み込むも伸び切れず3着。
「まあ想定内のレースだったけど、自分のミス。内藤さんにもらったのが効きました。自分に優勝するチャンスがあるレースを脇本さんはつくってくれたし、自力でレースをして脚をつけて脇本さんとまた一緒に乗りたい」

Race Playback

レース展開4
番手まくりで踏み勝った松浦悠士選手が、脇本雄太選手を4分の3車身しのいで2度目のG1優勝。

レース経過

誘導員 : 水谷良和

 号砲で出た山田英明-内藤秀久の89期コンビが前受けで、以下は、脇本雄太-古性優作-守澤太志、原田研太朗-松浦悠士-柏野智典、単騎の諸橋愛で周回を重ねる。 青板のバックから上昇した原田が、脇本を押さえて3番手に入る。中四国ラインに諸橋も続いて、脇本は7番手で赤板を通過。前と大きく車間を空けた原田は、2コーナーから一気にスパートして、打鐘で山田を叩いて先行態勢に入る。後方の脇本が最終ホームから反撃に出ると、松浦は脇本を1センター手前でけん制し、2コーナーから合わせるように番手まくりを放つ。それでも脇本が若干、前に出てバック線を通過したが、内で粘った松浦が4コーナーで自ら脇本を飛ばして盛り返し、そのまま後続を振り切って優勝を飾った。2着に脇本が入り、脇本マークの古性が3着でゴールした。

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