佐藤慎太郎が通算8度目の記念V
昨年のグランプリ王者・佐藤慎太郎が、直線鋭く抜け出してV。今年はここまで優勝なしで賞金争いの渦中にいたが、15年5月宇都宮以来、5年半ぶりの記念優勝を果たし、2年連続のグランプリ出場へ大きく近づいた。
「優勝できてめちゃくちゃうれしい。自分の力っていうよりは、地区が違うのに宿口(陽一)と平原(康多)が頑張ってくれて。結果としては、賞金を上積みできて良かったけど、やっぱり記念で優勝というのはお客さんも応援してくれていたし、期待に応えられて本当にうれしいです」
レースは、前受けから下げた宿口が打鐘手前の2コーナーから一気にスパート。最終1コーナー過ぎから仕掛けてきた浅井康太に合わせて、平原が番手まくりを放ち、最後は佐藤に絶好の展開が向いた。
「(埼玉勢が)前から攻めたいってことだったので、前を取りに行きました。浅井は気になったけど、宿口が良いスピードでカマしてくれて、ありがたかったですね。良いレースでした。浅井が仕掛けて来て、スピード差がすごかったから、もしかしたら行かれてしまうかなって思ったけど、平原はやっぱりさすがでした」
次走は今年最後のGI・競輪祭。最後まで気を抜けない戦いが続く。
「状態は良いです。ずっと悪くないけど、今回は体が動いた。お客さんの声援のお陰だと思います。グランプリもあるし、次の競輪祭もある。グランプリはまだ決まっていないけど、一戦、一戦、全力で頑張ります」
浅井を合わせ切った平原康多が2着に粘った。
「レースは支配できたんじゃないですか。浅井が強くて、合わせるのが大変でした。意地でなんとかですね。踏むタイミングが少し遅れたけど、最終的には踏み勝てました。(宿口は)とにかく練習の力を出し切ってくれたと思うし、あれだけの勢いで浅井に行かれたってことを経験して、次の強くなるためのきっかけにしてほしいですね」
最終2センターで佐藤の後ろに切り替えた地元の坂口晃輔が3着に入った。
「(浅井は)バックですごいスピードでした。最後は外を踏む脚はなかったので、最短距離を行きましたけど、優勝するのは難しいですね。競輪祭に向けての足掛かりにはなったので、次に向けて頑張ります」
単騎の松浦悠士は最終1センターで志智俊夫をさばき、地元コンビ追いかけて3コーナーから踏み込むも、4着までだった。
「単騎で動きづらいっていうのもありましたけど、あと1周のところで浅井さんにスイッチできなかったってところがポイントでしたね。(その後は)浅井さんが平原さんを越えそうだったから、そこを見てからになるなと思ったら、ワンテンポ遅れてしまいました。でも今日(決勝)が一番、脚の感触が良かったから、次の競輪祭が楽しみだなって思える決勝でした」
平原に合わされた浅井康太は5着でゴールした。
「競輪祭につながるレースはできたのかなと思います。平原さんとモガき合って、競輪の魅力は見せられたのかなと。(平原の上を)行き切る安心感はなくて、平原さんは絶対に復活してくるだろうなと思ったら、やっぱり復活してきました。まあ、そこはサラ脚の平原さんなら当然ですし、自分は自力の脚もあるってところは見せられたので、深谷(知広)とか(竹内)雄作の番手に付けた時にどう走るかですね」
平原に前を任された宿口陽一は力を出し切った。
「仕事はやれました。すごい緊張感の中で走れましたね。自分があと50メートル踏めて、バックを取れるくらいのレースができていれば、平原さんの優勝だったかもしれないですけど、後ろがワンツーでなによりです」