松浦悠士が地元で玉野記念を制覇
黒沢征治を太田竜馬が強引に叩いたことで打鐘からハイピッチでレースは進んでいく。最終ホーム6番手から清水裕友もまくって出るが、4番手から黒沢に合わせて出られて不発に。2センターから内に切り込んだ松浦悠士は太田マークから番手まくりで懸命にゴール線を目指す取鳥雄吾を直線で鋭くとらえた。
「ヤバかったですね、(太田の)かかりが。ヒロト(清水)も越えられるかなと思ったけど、強かった。それでも、あのかかんりのなか、あそこまでヒロトが行ってくれて、すごくチャンスメイクしてくれた。迷ったけど、外は間に合わないなと思った。和田さんも内に行ってくれたので、あれがデカかった。じゃないともう1回待たないといけなかったので。それでも(2センターから)だいぶ我慢しましたけどね」
1月の松山記念でハンドルを持つ位置を変えて、今回からは持つ位置はそのままで体の使い方を変えていた。「まだ完ぺきには乗れてないので」と話すが、上々の手ごたえはつかんでいる。
「このあとはしっかり練習する期間が取れますし、ウィナーズカップには自信を持って臨めないかもしれないけど、それぐらい追い込む予定です。ウィナーズカップは悪いなりでもしっかり戦いたいなと思う。ダービーを狙ってるんで、優勝しにいきたいなと思う」
前半戦最大のヤマ場となる5月のダービーに向けて、ここからさらにコンディションを上げていく。
太田の頑張りで地元開催での記念初優勝へ絶好のチャンスが訪れた取鳥雄吾だったが、あと一歩のところで松浦に優勝をさらわれてしまった。
「太田があれだけ頑張ってくれたのに情けない…。太田のダッシュがすごすぎて脚を削られてしまいました。もう自分も余裕がなくて1回詰まったんですけど、ここからじゃ持たないって思ったので1回待ってから踏んだ。悔しいですけど、また頑張ります」
3着の和田健太郎は直線で取鳥の内にコースを選んでしまったことを悔んだ。
「ほぼほぼ、あの形しかないって形を作ってくれたし黒沢君がすごいっすね。欲を言えば取鳥君のところに飛び付いてさばければ最高でしたけど、あれだけ頑張ってもらえたので。最後はちょっと焦りましたね。半信半疑のまま内へ入ってしまった。勝つなら松浦のコースですよね。あそこが一番優勝に近いコースでしたから」
まくり不発で7着に敗れた清水裕友も悔しがることしきり。
「黒沢さんと太田のもがき合いと思ったら、すごいスピードでしたね。(ホームからの仕掛けは)ちょっと無理やりでタイミングが悪すぎた。黒沢さんは越えたかった。そこが悔しいですね。最近は最終日の着が悪い。クセ付いてるので、なんとか脱却しないと」
地元記念4度目の優勝を狙った岩津裕介は打鐘で前と口が空いてしまったことが最後まで響いた。
「太田のダッシュがすごすぎて、ジャンでほぼ脚を使った。2コーナーで(太田が)タレて来たけど、こっちもバテバテで。雄吾も行くかなと思ったけど1回待ったから、それで呼吸が合わなくて付いて行けなかった」
太田に叩かれた黒沢征治だったが、清水に合わせて再度仕掛けて取鳥に迫った。
「太田君が強かった…。出させるつもりはなかったけど、勢いが違った。清水君も来てたし、あそこ踏まないと和田さんにも権利がない。キツくても行くと決めてました」