本線は中国黄金コンビ
今年最初のG1・全日本選抜で黄金コンビ復活を強く印象付けた松浦悠士、清水裕友がシリーズを支配する。本目に推す松浦は、オールスター、ウィナーズカップのビッグレースをはじめとして昨年6Vを達成している。優勝回数もさることながら、決勝を外したのは競輪祭の1回しかなかった安定感は間違いなく輪界トップ。今年も1月は岸和田記念in和歌山、松山記念、豊橋記念、2月高松記念、全日本選抜とオール優参して2V、準V1回。この間は20走して10勝、2着5回で連対率は75%と相変わらず素晴らしい安定プレーを演じている。舞台が熟知しているホームバンクなのも松浦には追い風だ。ビッグレースでも松浦と好連係を決めてきた清水裕友が完全復活。全日本選抜では1年ぶりにG1決勝に立った。何よりも松浦と3回連係していずれも前回りだったのは好印象。松浦との前後はまた流動的だが、いずれにしても首位奪取は十分だろう。地元勢も戦力は充実している。自力型は河端朋之、取鳥雄吾、追い込み型には岩津裕介、柏野智典が控えている。相変わらず末脚が甘いのが玉に瑕の河端ながら、世界の舞台で大活躍したスピード、ダッシュ力はワールドクラス。取鳥は1月松山記念1着、同月松山着など自力攻撃が冴えている。今シリーズの中国勢はかなり強大だ。
グランプリ2020チャンプの和田健太郎は2月奈良記念の準決で落車し、不安な中で臨んだ全日本選抜で着の準V。新しく南関ラインの一員に加わった深谷知の存在が大きかったとはいえ、さすがの貫禄、責任感だった。ここは頼りになるスジの機動型が野口裕史位と厳しい状況ではあるが、相手なりの組み立てで優勝争いを賑わす。
ベテラン佐藤慎太郎は今年も堅実そのもの。1月大宮記念着、同月豊橋記念着、2月奈良記念着と、とにかく大崩れがない。佐藤にとっても今シリーズの上位陣には北日本の自力型が手薄なので、鈴木竜士ら関東勢か、意外な選手との連係から勝機を見い出すか。どんなメンバー構成になっても的確なコース選択と鋭い差し脚を駆使しての突っ込みには警戒したい。
山田英明、中川誠一郎の九州勢も忘れてはならない。攻め口多彩な山田は、昨年はG1開催で3回の決勝進出を果たした実力者。1月は小倉着、豊橋記念着とまずまずだ。欠場が続いていた中川は2月小倉から復帰したが、上がり10秒7の快速まくりを決めていきなり優勝している。
勢いがある野原雅也にも魅力を感じる。当所は昨年12月に待望の記念初Vを飾ったゲンのいいバンクだ。今年も優参続きで相変わらず力強い走りを披露しているので、仕掛けがツボにはまった時の一発には警戒したい。