• 函館競輪場第19回サマーナイトフェスティバル7/15〜7/17

後記 GⅡ 函館 07/15 ガールズケイリンフェスティバル

勝負どころで光った立ち回り

久米詩

久米詩

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 スタート直後に野口諭実可が落車して、再発走を余儀なくされた。発走時間が遅れて、7人の誰もが集中力を保つのが厳しいタフな戦いだった。
 「再発走にはなったんですけど、これから先、選手生活していくなかでこういうこともあるかなって。初めて再発走になったんですけど、初めてながらもしっかり対応して、もう1回集中しきれたかなと思います」
 アクシデントにも気持ちをリセットした久米詩は、4番手のポジションで打鐘を迎えた。真後ろの5番手の児玉碧衣が、2センターから仕掛ける。3番手にいた山原さくらもそれに反応したが、久米はさらにその上を踏み込む。持ち前のレースセンスとトップクラスとの経験の積み重ねが、久米の体を動かした。
 「展開的にはこうなるかなって感じだった。でも、たぶん前だったら(山原)さくらさんに付いていって、3番手からの勝負になるところを(今回は)しっかり自分で、(児玉)碧衣さんの後ろに切り替えて番手勝負ってところができた。そういったレースの組み立てっていう部分でも、一つ成長できたのかなと」
 突っ張り含みの飛び付きで吉川美穂も踏み上げるが、乗り越えた久米が逃げる児玉の後ろに入る。3番手に吉川、4番手は石井寛子。しかしながら、児玉が風を切っているだけに、最後はポジショニングが大きくモノを言った。
 「(最終)バック回る時には、脚をためてゴール勝負したいなって風に考えれてた。わりと脚に余裕はあったかなと思います。(5月ガールズケイリンコレクションに続くビッグレース2度目の制覇だが)ナショナルチームの方たちも参加しないなかですけど、1つ大きなタイトル取れた。本当にたくさんの人に支えられて、今年はいい結果が出せてるなって思います」
 直線半ばで児玉を交わした久米がV。5月のコレクションに次いでのビッグレース制覇になった。
 「まずはグランプリを目指して、賞金もかなり積み上げてこられた。そこに向かって出るだけで終わらずに、しっかり優勝狙えるように準備したいと思います」
 獲得賞金ランクトップ。初のグランプリ出場に視界良好も、久米はその緊張が途切れることはない。

 カマした児玉、さらに久米に行かれた吉川美穂だったが、前から3番手の好位置に入る。悔しさをにじませながら、流れ込んだ2着を振り返る。
 「前受けになったら、後ろから来るのに合わせて思い切り行くだけでした。挑戦者の身なんで、あわよくば“全ツッパ”ていうのもあったんですけど、(児玉)碧衣ちゃんが強かったです。(3番手に入ったあとは、最終)バックで少し余裕も出て、もしかしたらって思いました。けど、脚もタイミングも悪かった。(久米)詩ちゃんよりも早く踏まないとアカンかった。伸びる感じもあったんで、ちょっと悔しいですね」

 打鐘過ぎに吉川の後ろに追い上げた石井寛子は、最終バックで4番手。直線勝負にかけたが3着まで。
 「初めのスタートで野口さんが児玉さんの後ろを主張していて、2回目も主張していた。自分はそこじゃないなって。山原さんが長めに行く想定もしていてのあの位置だったんですけど…。どうしようって冷静じゃなかったんですね。(再発走もあり)迷いがありましたね。集中し切れなかった」

Race Playback

レース展開4
 先行した児玉碧衣選手の後ろから、久米詩選手が追い込んで優勝。吉川美穂選手が流れ込み、石井寛子選手が3着。

レース経過

誘導員 : 山田敦也

 再発走の号砲が鳴り、見合ったスタートから吉川美穂が飛び出し誘導員を追う。初手は吉川、山原さくら、石井寛子、児玉碧衣、小林莉子、野口諭実可、久米詩の並びで一度は落ち着いたが、久米が青板2コーナーから早くも上昇し山原の前に入った。赤板手前で再び山原が追い上げて、山原の後位は内に久米、外に石井で併走。 ジャンで誘導員が退避すると、吉川の後位に石井が上昇。一方、後方に置かれた児玉の後位では内に小林、外に野口で併走する。2センターから児玉が一気に仕掛けると後位は野口が取り切ったが踏み出しに離れ、久米が追いかける。最終1センターを児玉、久米、吉川、石井、その外に野口の態勢で通過。2コーナーから山原が仕掛けるも中団まで。先行した児玉が2センターで苦しくなると、2番手を回った久米が抜きに掛かる。直線では久米が抜け出してV。久米を追走した吉川が2着、3着には石井が入った。

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