超速誇る脇本雄が主役
持病である腰痛の影響で、万全の体調は望みにくい脇本雄太。別線からの警戒も最高レベルだけに、さすがに勝ち続けることは叶わないが、今年の勝率は約64%。獲得賞金3億円を達成した昨年の約81%には及ばなくとも、素晴らしい数字であることに変わりはない。上がりタイム10秒台のまくりを立て続けに繰り出す豪脚は、間違いなく輪界トップ。別線をねじ伏せてサマーナイト初Vを達成だ。約40日間の欠場明けだったダービーは、底力を発揮して優参した古性優作ながら、動きはやや物足りなかった。だが、富山全プロ記念❶着の動きは一変していて、短期間で立て直しに成功。すると高松宮記念杯❶着、決勝は突っ張り先行の脇本に乗り、今年G1大会2V目をゲットしている。続く6月前橋記念もV。ここも逆転は十分だ。
北日本勢はラインの総合力で脇本に抵抗する。グランドスラマー・新田祐大をはじめ新山響平、佐藤慎太郎、守澤太志とSS班がズラリ。6月久留米記念で10年ぶりにG3を制した成田和也も控えている。現に久留米記念の決勝では、主導権を握った新山に新田、成田、渡部幸で続いた北日本勢の前に、脇本は着外に敗れている。地元地区でもあり、北日本勢から優勝者が出る可能性は大いにあろう。
松浦悠士、清水裕友、犬伏湧也の中四国勢も好勝負が見込める。松浦はこの大会と相性がいい。21、22年と連覇していて、今年は3連覇を目指しての参戦だ。21年は清水のまくりに、22年は犬伏の逃げにそれぞれ乗っての優勝で、チャンスをきっちりものにしている。松浦は高松宮記念杯➍着の動きも軽快だったし、犬伏はスピードに一段と磨きがかかり、航続距離も伸ばしている。中四国勢が上位独占しても不思議ではない。
快速レーサーがそろう南関勢も侮れない。郡司浩平、深谷知広、松井宏佑の面々なら、誰が先頭で戦っても別線には脅威となろう。ダービーの準決で落車し、高松宮記念杯は復帰戦だった郡司だが、❼着と危なげなく決勝に乗っていて、体調に不安は感じさせなかった。勝機が巡ってくればものにできる状態にある。
ダービー王の山口拳矢は流れが悪いのが気になる。全プロ記念、6月大垣記念は動きが今ひとつだったし、高松宮記念杯は西一次予選2で失格を喫した。浅井康太は4月四日市G3、6月大垣記念でV、高松宮記念杯は西一次予選を着で白虎賞にコマを進めていて順調だ。
平原康多、眞杉匠、吉田拓矢の関東勢も軽視は禁物。今年の平原は落車が多く順調さを欠いているが、眞杉は今年早くも5Vを飾っているし、吉田も6月久留米記念着の動きは力強かった。
九州勢も高松宮記念杯で決勝に乗った山田庸平、5月当所記念を制した嘉永泰斗、元気なベテラン荒井崇博と魅力あるメンバーばかりだ。