充実感を増す児玉碧衣
優勝者にグランプリ出走権が与えられるG1ではないが、優勝賞金320万円を懸けて争う夏の夜の祭典。予選2走のポイント上位者が決勝に勝ち進む。本命はもちろん、完全復活の児玉碧衣だ。パールカップでの完全優勝は見事だった。3日間、快速カマシ、まくりを決めての完勝で、決勝では久米詩や坂口楓華の挑戦を問題にしなかった。鎖骨骨折の試練を乗り越えて一段と逞しさを増したし、苦しんだ分勝負へのモチベーションも上がったのが現在の快進撃を支えていてまさに怖いものなしだ。ただ、この大会に関しては16年から参加し、準Vがこれまでで最高と意外と結果を出せていない。特に21年の当所では決勝を外すまさかの結果だっただけに、今年こそは優勝してリベンジを果たす。
現在の児玉を倒せるとしたらナショナルチームメンバーしかいないのではという下馬評を覆したいのが久米、坂口だ。5月のコレクションを含め19連勝して臨んだパールカップ決勝では、児玉に4車身差を付けられての2着だった久米だが、坂口とともに児玉より先に仕掛けて出たレース内容自体は悪くなかった。久米も坂口もメリハリを付けた走りで、好機に思い切って仕掛けていければもっと児玉と好勝負できるだろう。
パールカップは予選敗退に涙した尾方真生だが、今年9Vの実力と勢いは久米、坂口に劣らない。姉弟子の児玉に臆せず挑んで波乱を起こしたい。鈴木美教も今年はV9、流れに乗っていければ。6月小倉MNの完全Vで不安を一蹴した山原さくら、吉村早耶香、吉川美穂も決して伏兵ではない。
5月以降は低調な柳原真緒、、パールカップは調整ミスだった石井寛子、パールカップでの落車が気掛かりな小林莉子、腰痛が再発した小林優香らの巻き返しも見もの。