• 京王閣競輪場GⅢナイター8/10〜8/13

後記 GⅢ 京王閣 08/10

S級初優勝でグレード制覇

田尾駿介

田尾駿介

決勝優勝写真
決勝優勝写真

 中四国勢が4車で結束。河端朋之が例によって、ケレン味なく駆けてレースをつくった。しかしながら、河端の動きに反応した鈴木竜士が合わせて動く。打鐘では3番手の田尾駿介と重なるシーンもあったが、3コーナーを締め気味に回った田尾が、中四国3番手をキープした。
 「どんな展開でも久保田(泰弘)と僕のところが粘られると思ったので、そこは覚悟して負けないようにでした。河端さんが組み立ててくれました。先に(窓場千加頼が)動いてくれたのが一番大きい勝因かなと。僕も鈴木君が踏んでいるのが見えたので、そこをしっかりと締めて回ろうと思ってた。そこかが一番集中するポイントだと。そこをしのげたのが大きかったと思います」
 踏み遅れた室井健一がさばかれて、鈴木が4番手に入り最終ホームを通過する。7番手の窓場のまくりに合わせて、4番手の鈴木も3コーナーから外に持ち出す。が、田尾は鈴木にかぶる前に、外のコースを選択した。
 「(別線のまくりは)番手の久保田が絶対止めてくれると信頼していた。僕は内を空けないように意識してました。河端さんがすごく掛かってましたので、全部してくれたかなと思います。4コーナーからは前に踏ませてもらいました。かぶってたら中を行こうと思ってたけど、かぶってなかったので外勝負だと。道中脚をしっかり回せてので、伸びるイメージはありました。伸びていく感じはあったけど、まさか久保田まで抜けるとは思ってなかったです」
 直線はラインの久保田との伸び比べ。久保田を最後のハンドル投げで交わしたところがゴールだった。一昨年からS級レーサーの仲間入りを果たした田尾にとっては、これがS級初V。F1優勝を飛び越えて、グレードレースを制覇した。
 「準決は久米(康平)君を残せなかったり、(今シリーズは)反省する点は多いかなと。まだまだ技術不足っていうのがあって、四国の先輩たちにアドバイスをいただきながら、これからが大事だと思うので磨いていきたいです。まだまだ脚力が足りてないと思うので、練習からしっかりと取り組みたい。これからはもっともっと見られる立場だと思うので、隙のないレースをしたいと思います」
 追い込みとしてようやく軌道に乗ってきたなかでつかんだ優勝。ラインに感謝を忘れずに、田尾が気持ちのいい笑顔で汗をぬぐった。

 三度、河端の番手が巡ってきた久保田泰弘に絶好の流れ。完全優勝かに思われたが、田尾に交わされて2着。
 「田尾さんが強かったです。調子は良くて、ニヤニヤするぐらいだった。でも、完全に負けました。(自分に足りないのは)脚力ですね。やってはいるんですけど、なかなか脚力がつかない。ウエートトレーニングとかもやってはいるんですけど」

 ホームバンクの鈴木竜士は、中四国勢の4番手を奪取。窓場に合わせて外を踏み込んだが3着。
 「組み立てとしては悪くなかった。前のラインが強力でしたね。とにかく中団、中団を回ろうと思っていたので、粘るとかは考えていなかった。あとは行けるところからって感じでしたけど、河端さんの掛かりがすごかったです。窓場さんが見えたので行かれたら終わりだと思っていた。そこを見ての仕掛けでした。3番手の田尾さんにあれだけ伸びられると厳しい。(ホームバンクで)勝てないと意味がなかった…」

Race Playback

レース展開3
 中四国ライン3番手から伸びた田尾駿介選手が優勝。2着に久保田泰弘選手。地元の鈴木竜士選手は追い込むも3着。

レース経過

誘導員 : 今井聡

 スタートは内枠の3車が出るが、鈴木竜士が正攻法。初手は鈴木-河村雅章、窓場千加頼-松岡健介、大坪功一、河端朋之-久保田泰弘-田尾駿介-室井健一の並び。 赤板前の4コーナーから河端が上昇開始。窓場は河端を合わせるように踏み込むと、鈴木は車を下げて窓場-松岡、鈴木-河村、大坪となる。車を外に持ち出して仕掛けるタイミングを窺っていた河端は2コーナーからスパート。するとすかさず鈴木も踏み込んだ。河端-久保田-田尾の3車まで前に出たが、室井はやや車間が空き、4番手に鈴木-河村がスイッチ。最終ホームは河端-久保田-田尾、鈴木-河村、室井、窓場-松岡、大坪の一本棒で通過した。2コーナーで窓場が反撃開始。窓場は番手を上げていくが、3コーナーで鈴木に合わせるように前に踏まれて勢いが鈍る。直線の半ばで逃げる河端を交わした久保田が優勝かと思われたが、3番手の田尾が鋭く伸びて突き抜けた。田尾はG3初V。2着が久保田、鈴木は鋭く伸びるも3着まで。

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