近畿勢がレースを支配!!
レースは、完全に近畿勢が支配した。寺崎浩平が6番手から打鐘で仕掛けて、最終ホームでは近畿ライン4車でごっそりと出切る。バックでは、4番手の藤田勝也と、5番手の山田英明で5車身以上の差が開く。あとは、2センターから早めに踏み込んだ古性優作が、突き抜けるだけだった。
「(寺崎に)完全に任せていました。想定では(出切った後に)坂井(洋)君が、すごい勢いで飛んで来るのかなと思ってたけど、もう(最終)1コーナーですごい掛かりだった。あとは、自分が油断せずに走るだけだなと。東口(善朋)さんの地元にかける思いは伝わってきますし、東口さんにもチャンスを作りたかった。そう思って(2センターで)踏みました」
東口が2着に続き、寺崎が3着に踏ん張って近畿勢で確定板を独占。ゴール後の古性は、何度も肩を叩いて寺崎をねぎらった。自らが「近畿のキーマン」と名指しした寺崎の走りから、熱いものを感じ取った。
「寺崎は近畿を引っ張っていく選手になってほしいし、そうでないといけないと思ってます。今回は、僕と、寺崎が特選スタートで、近畿を引っ張っていかないといけない立場だった。この舞台で、4日間良いレースを続けてくれて、G1につながると思う。こうやって信頼関係を作っていって、G1でも良い連係をしたい」
寺崎の走りがあっての優勝だということは確かだが、古性自身も修正を施し続けた4日間だった。
「連日、東口さんにアドバイスをもらって、良かった時との(フォームの)差を、真後ろで見た感じで教えてもらった。3日目に感じたことを決勝で試して、一番感じが良かったと思います」
昨年の福井記念以来、通算9度目のG3優勝で24年のシーズンを開幕させた。「タイトルを総なめに」。その目標も夢物語ではない。今年最初のG1は、3連覇のかかる全日本選抜。ブレずに一走入魂の走りを続けて、偉業に挑む。
「大きな目標を掲げたんで、それを達成するには、期待に応えるんじゃなくて、期待を超えないといけない。GI3連覇は、それを目標にしてたらできないと思う。みんな仕上げてくる大会ですし、気を抜かずに一走、一走を続けた先に付いて来るものだと思いますし、命がけで走らないとできない。もっと進化していきたい」
G13冠を達成した昨年を、上回る活躍を。近畿の仲間と共にレベルアップを続ける古性の全盛期は、まだまだ先にある。
早めに踏んだ古性の、さらに外を踏んで迫った東口善朋だが、2度目の地元記念制覇はならず。チャンスをもらったからこそ、悔しさがこみ上げる。
「1番車なんで、脚をためたかったけどスタートを取りに行った。赤板はまだ息が上がっていたし、もう一周ほしかったぐらい。最低限の着ですし、(古性を)抜けていればベストだった。(古性は)僕に勝負権のあるように踏んでくれたし、(古性)優作らしくてありがたかった。悔しさの方が大きいです。でも、これがあるからまた頑張れる。もっと高く飛べるように、また沈み込みます」
寺崎浩平が、近畿勢上位独占の最大の立役者。近畿を引っ張っていく姿勢を、レースで示した。
「(赤板で)引いて、坂井がどう先行争いをしてくるか分からなかったので、とりあえず早めに仕掛けてと。出切れば(ラインの仲間が)なんとかしてくれると思った。最終日を良いコンディションで迎えられて、ラインで決められてよくやったかなと思う」