• 玉野競輪場開設74周年記念瀬戸の王子杯争奪戦3/6〜3/9

後記 GⅢ 玉野 03/06

まくり一気、単騎で吉田拓がV奪取

吉田拓矢

吉田拓矢

決勝優勝写真
決勝優勝写真
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 今シリーズの関東勢は眞杉匠、平原康多のS班が参戦していたが、決勝に進出したのは吉田拓矢、ただ一人。二次予選、準決を勝ち上がった吉田の口から出ていたのは、「情けないレースが続いていて、関東の選手として後輩にも示しがつかない」という責任感のある言葉。「その分、決勝はしっかり頑張ろう」と決意して臨んだ一戦で見事に結果を出した。
 「とくに作戦はなくて、昨日(3日目)、失敗している分、どこかで仕掛けようと考えていて詰まったら行こうと」と周回中は最後方からになったが、別線の動きを見定めていた。
 「初手は取鳥(雄吾)さんが前だったので、カマすのかなと思っていました」と展開を読んでいたが、読みがズバリと当たる。押さえて出た犬伏湧也を取鳥が最終ホーム前で叩いて主導権を奪う。「(取鳥と犬伏の踏み合いで)隊列が短くなって、南(修二)さんが先に仕掛けたので、そこを目がけて行った感じですね。後ろに(山田)庸平さんがいたのもわかったので、しっかり最後も踏み切りました」。
 昨年11月の競輪祭2走目で落車して欠場すると、復帰場所になった年始の立川記念でも2走目に落車。右鎖骨骨折と、年末年始は試練に見舞われた。「(立川記念で)落車して次の日に(鎖骨の)手術をして、その次の日からは練習して全日本選抜に備えてやっていました。(優勝したことで競輪祭、立川記念と落車が続いていたが)つきものが落ちたかなとは思います」。
 前回の全日本選抜の優出と、今回の優勝で流れは一変。吉田は次走のグレードレース戦が名古屋のG1、日本選手権。「これからも関東でまとまって、しっかりとダービー(日本選手権)に向けてやっていきたい」と昨年も優出した大会で結果を求めていく。

 単騎の山田庸平は初手を地元勢の後ろから進めたが、道中では最後方に置かれる。だが、戦況を冷静に確認すると、吉田の仕掛けを追って準V。今シリーズで戦える手応えをつかんだ。
 「(取鳥)雄吾が突っ張るかなと思ったんですけどね。犬伏君が切りにいった時にバックを踏んで柏野(智典)さんに突っ込みそうになって、立ち遅れてしまった。余裕はあったんですけど。脚をためて、ヨシタク(吉田)が行ったので(最終)4コーナー勝負になるかなと。読めてはいたと思います。ここ最近のなかでは一番良かったですね」

 中四国勢が6人優出したことで、犬伏湧也は地元勢と真っ向勝負になった。取鳥に先手を奪われたあとは立て直してからまくっていったが、道中の消耗が響いての3着。4月1日からS班に格付けされることが発表されてから最初の場所で感じることの多いシリーズになった。
 「単騎が追い上げてくると思って切りに行くのが遅れた。誘導を目がけて行って、そのあとに取鳥さんに出られて、もう1回行ければとチャンスがあると思った。あれで押し切れる脚があれば良かったんですけど。理想は雄吾さんを合わせられれば良かったですし、SSクラスの2人が付いてくれていたのに申し訳なかった。自分の3着よりも大きいレースをしたかった。(S班は)内容が大事ですけど、勝たないとダメな立場にもなる。脚の感じは今日(最終日)が一番良かったですし、やれる感じはあったんですけどね。S班になることは決定したことなので、3月は準備期間としたい。これからも(清水)裕友さん、松浦(悠士)さんはずっと連係していく人。みんなで決まる意識で走ることができれば」

Race Playback

レース展開4
 8番手からまくりを打った吉田拓矢選手が、前団をのみ込んで優勝。山田庸平選手が流れ込んで2着。犬伏湧也選手が3着。

レース経過

誘導員 : 三宅達也

 スタートで勢い良く飛び出した取鳥雄吾が誘導を追う。道中は、取鳥-岩津裕介-柏野智典、山田庸平、犬伏湧也-清水裕友-松浦悠士、南修二、吉田拓矢の並び。 赤板周回のホーム付近から取鳥が誘導との車間を空けて後方を警戒すると、1コーナーで犬伏が一気に上昇して取鳥を押さえる。南、吉田もこのラインに続く。取鳥は6番手に車を下げるが、打鐘で一気に巻き返し、最終ホーム付近で犬伏を叩き切る。取鳥の仕掛けに岩津は続くが、柏野が清水とからんだことで3番手に犬伏が入る。犬伏は間髪入れずにスパートするも、清水が付いていけず、単独でまくり上げて2センター過ぎに逃げる取鳥をとらえる。しかしながら、後方で脚をためていてバック手前から仕掛けた吉田がスピード良くまくる。吉田のまくりを追う形になった山田を振り切って、吉田がV。山田が2着で、先まくりの犬伏が3着。

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