阿部英斗を指名も大接戦

阿部英斗
S級戦士が3人に、A級1・2班戦で常にVを争っている6人。とにかく勝つことに意味があってライン戦より個の戦いに重きが置かれる頂上決戦は流れ一つで誰が勝っても不思議ない。本命に最も相応しいのは阿部英斗だ。S級を3場所走ってまだ決勝に乗れていないが、渡邉一にまくられたデビュー戦を除きレースを支配する積極策で別線からの反撃を合わせ切って粘り込むレース内容で評価上昇中。2月小倉で2勝、初のG戦となった小松島MNも3着と本人もS級で戦える手応えをつかんだ。ここも勝負所を逃さず仕掛けて125期のトップに立つ。
栗山和樹が一番のライバルだろう。2月に特進した栗山は初戦の熊本で早速優参。準決は格上の飯野祐を叩いて圧勝と持ち前の機動力を遺憾なく発揮した。長い距離を踏める強みを生かして思い切りの良さを出せれば逆転Vは十分。また、同県で岩井芯がいるので、連係して番手を回る可能性も高い。若者らしからぬ大胆なレース運びが光る岩井目標ならVへはさらに近付く。
一方、真っ先にS級に上がった森田一郎は経験値の高さで本来ならVの最有力候補に挙げられるのだが、腰痛が出て最近は大乱調。その中でも自分を見失わずに行くべきタイミングで行くレースを心掛けてはいるが、肝心の脚力が戻り切らないと厳しいのでは。
S級に特進した3人には遅れを取ったが、中石湊を実力最上位に評価しても良さそう。他の選手より出走回数が少ないのも影響して未だA級だが、競技で輝かしい成績を残し、ナショナルチームに所属しているようにポテンシャルの高さは他の追随を許さない。単騎でも自分の持ち味を出し切るスケールの大きいレースをできるか。
在所ナンバーワンの遠藤拓巳、特進を懸けて2月川崎で栗山と8連勝対決を演じた塩島嵩一朗、谷内健太、南部翔大の近畿コンビまで大きな脚力差はない。そろって近況良好なだけに波乱を巻き起こす怖さを備える。