GⅠSPECIAL Inside report GⅠ 松戸 09/19
シルバーウィークの連休中に開催された「第58回オールスター競輪」。ファン投票で選出されたトップスターが松戸の燦燦バンクを舞台にスピードバトルを繰り広げた。初日から落車が頻発。高配当が続出するなど波乱のシリーズだった。レジェンド神山雄はGP当確
まずは決勝進出者から。神山雄一郎はオールスター男の本領発揮。準決勝は鋭く突き抜けて1着。47歳とは思えぬ軽快な走りでシリーズを盛り上げた。決勝も2着に入って、今年の獲得賞金は8千万円を突破。これで年末のグランプリ出場は当確だろう。
「初日から競走自体はだいぶ余裕がありました。準決勝はまさかあのメンバーで1着を取れるとは自分でもびっくりしました。前回ぐらいまではゴール前の伸びを欠いていたんですが、何とかオールスターまでにと思ってやってきた成果が出ました」
最もファンに強烈なインパクトを残したのは竹内雄作だろう。連日、力強い先行策で3連勝の勝ち上がり。他を寄せ付けないハイパワーでG1初優出を決めた。
「直前の岐阜記念が追加だったので、調整が思うようにいかなくて開催前は不安があったんですけど、一次予選、二次予選とこなすことで、調子は日に日に上がっていきました。でも、後ろには迷惑をかけてしまったし、レースをもう少し勉強しないとダメですね」
稲垣裕之は2833着。ビッグレースで今年3度目の表彰台入り。賞金ランキングは6位まで上昇。初のグランプリ出場へ大きく前進した。
「福井記念から手足口病でお客さんに迷惑をかけてしまっていたんですが、前回の立川の優勝が自信になりました。今回は優秀戦で武田(豊樹)さんのカマシを合わせ切れたのが収穫。あれで準決勝も思い切って仕掛けることができました」
桐山敬太郎は7月寛仁親王牌の落車から精彩を欠いていたが、今シリーズは2119着と大暴れ。今年2月の全日本選抜以来となる2度目のG1優出を果たした。
「初めて静岡で(G1の決勝に)乗った時とは違って、自分で動いてのレースだったので、よりうれしいですね。ここに向けてイチかバチかみたいな練習をしてきちゃったんですけど、いい感じで走れました」ファン投票1位の深谷知は惨敗
ファン投票1位の深谷知広は二次予選で繰り上がりの3着。辛うじて勝ち上がったが、ツキを生かせずに準決勝はシンガリ負け。ファンの期待に応えられなかった。
「ここに向けて基礎の練習と仕上げをしっかりやってきて、近づくにつれてすごい感触は良くなっていたんですが、レースでは体が追いついていない感じでした。もう少し上向いてくれれば良かったんですが…」
川村晃司は右鎖骨、肋骨骨折からの復帰戦。本調子とはいかなかったが、3走目は番手まくりで1着。復調のきっかけをつかんだ。
「鎖骨骨折は9回目なんですけど、初めてプレートを入れました。今でも寝転んだりするのはまだ痛いです。肋骨に痛みが出ますね。トップスピードやタイムは休む前とそんなに変わらないんですが、もがける距離は短くなっている気がします。まだしっくりきていない部分はあるけど、走って戻すしかない」
平原康多もまだ右手首骨折の影響がまだ色濃く残っている。
「力がまだまだですね。33の戦い方も難しかった。力と気持ちがかみ合えばもう少し戦えたと思う。今回はすべて足りなかった」武井大が地元G1で奮闘
総勢12名を送り込んだ地元勢。武井大介がただひとり、決勝まで勝ち上がった。
「S級に上がって競走も続いたんで、まさかここに出られると思っていなかった。ここに向けて何かをやったっていうことはないです。地元のG1なんで出るからには、頑張ろうと思っていました。(地元)12人で乗り込んで誰かしら先行屋が乗ってみんな乗るのかなって思ったけど、まさか自分とは思わなかったです。これからは機動型をどれだけ勝ち上がらせることができるか。課題も見つかりました」
海老根恵太は1281着で3連対。決勝進出こそ逃したが、地元の意地は見せた。
「今回は準決勝が悔しかったけど、前の人の頑張りで、それ以外は結果を残せました。自分1人ではまだまだ厳しいですね。調子は上がってきているし、このあとも千葉記念、G1もまだあるんで頑張ります」