GⅠSPECIAL Inside report GⅠ 名古屋 03/08
第69回日本選手権競輪が3月8日~13日の日程で開催された。名古屋バンクを舞台に、トップスターが激突。6日間の長丁場のトーナメントを勝ち抜き、頂点に立ったのは村上義弘。近畿の固い絆で4度目の日本選手権制覇。名古屋ダービー3連覇を成し遂げた。6日間の総売り上げは127億3千万円で目標額をわずかに上回った。強固な結束力を見せた近畿勢
稲垣裕之、脇本雄太の欠場で劣勢が予想された近畿勢が下馬評を覆した。川村晃司は前回の静岡記念までの不振が嘘のような快走を披露。初日からオール2着で準優勝。準決勝は藤木裕、決勝は三谷竜生を目標から番手まくりを打った。
「前回まではボロボロだったんですが、ここに来る直前、3日前くらいに練習の手応えを感じて、その成果が出て良かったと思います。セッティングを変えたのと、シューズのサンの位置を変えてガラッと変わりました。いい感じで走れました。近畿の結束力も見せられたと思います。これをきっかけに復調していきたいですね」
三谷竜生は待望のG1初優出。決勝は近畿の先頭で果敢に風を切り、役割をきっちりと果たした。
「地元(奈良)記念が終わってからは普通に、今までどおりに練習してました。大きいレースが続き、いい緊張感を持って走れました。調子は変わらず良かったし、感触も良かったです。G1準決勝5度目でやっと乗れてうれしいですね」
ダービー連覇を狙った新田祐大は危なげない走りで勝ち上がったが、決勝は近畿の結束力の前に敗れた。
「ここに向けてはいつも通りのG1の調整方法でやってきました。調子はいつも通りなんですけど、レースの内容としてダメな部分も自分の中であったのかなと思います。決勝はいける自信があったんですけどね。でも、仕掛けての3着なら意味はある。次の静岡ダービーまでにまた仕上げてきます」深谷知が1年8カ月ぶりのG1優出
中部勢は地元地区の大舞台で躍動。グランプリ王者の浅井康太は準決勝で失格という残念な結果となったが、深谷知広、金子貴志の愛知師弟コンビがシリーズを盛り上げた。深谷は初日特選、準決勝と力強い先行策で2着に粘り、一昨年の寛仁親王牌以来、1年8カ月ぶりのG1優出。2月の全日本選抜から気配は一変した。
「高松記念で優勝したけど、体のバランスが崩れているのに気付かずに、そのまま久留米(の全日本選抜)に行ってしまった。全日本が終わってから前半は体のケアをして、後半はいい練習ができました。今回は長い距離もしっかり踏めたし、きつい練習をしてきた成果が出たと思います」
吉田敏洋は2419着。二次予選で敗退したものの、地元の大舞台で持てる力はすべて出し尽くした。
「今回に関しては作戦のアテが外れたとか、気持ちで負けていたということはなかったと思う。(二次予選は)流れが向かないことはよくあることだし、運がなかった。年齢的にも脚力は落ちてくるし、これからはそれをどう乗り切るかですね」ランクを上げた山田英
山田英明は初挑戦のG1準決勝で4着。惜しくも決勝進出は逃したが、連日のスピードは光っていた。
「全日本選抜が悪くて自信をなくしかけたんですが、しっかり立て直せました。G1の準決勝は初めてだったけど、いつもどおりのレースをしようと思ってました。展開は最高だったんですけどね。ちょっと見すぎて、仕掛けのタイミングが遅かった。ちょっと伸びが甘かったです。もう1回しっかりやり直して、次は決勝に乗れるように鍛えてきます」
海老根恵太は一次予選で敗退したが、敗者戦で3勝を挙げた。
「今回は後輩たちのおかげ。開催を通して全て番手を回ったのは初めて。自分の力ではまだまだ勝てない。番手回りだけでなく、何でもできるのが理想ですね」
渡邉一成、中川誠一郎は世界選から帰国直後のシリーズ。渡邉は準決勝、中川は一次予選で敗退した。渡邉は「今回はダメだったけど、タテ脚勝負に持ち込めれば戦えているので。準決勝は深谷(知広)君が斬る前に、自分が叩いてれば中団が取れて勝負できた。今後もG1が続くので、そういう細かいところを詰めていきたい」と振り返った。