• 松戸競輪場8/11〜8/15

インサイドレポート・シリーズ総評

GⅠSPECIAL Inside report GⅠ 松戸 08/11

 第59回オールスター競輪は岩津裕介のG1初制覇で幕を下ろした。本年度より開催期間をお盆の時期に移行。期待された売り上げは5日間で107億円。目標額の115億円を大きく下回ったが、選手たちは奮闘。松戸燦燦バンクを舞台に、手に汗握るスピードバトルが繰り広げられた。決勝で詰めの甘さが出た新田祐

稲垣裕之

稲垣裕之

 稲垣裕之は決勝2着でまたしても頂点を逃した。それでもシリーズを通して、持てる力をすべて出し切った。

 「2月に骨折したんですが、半年っていうのが今まで自分の経験上、ひとつの区切りになっているんで。ちょうど半年過ぎて痛みもほとんどない状態。まだ完璧でないけど、今の状態に合ったセッティング、乗り方ができています。このオールスターを照準に練習をしてきましたし、その成果が出たと思います」

 初のファン投票1位に輝いた新田祐大は決勝6着。G1連覇、そして大会連覇は夢と消えた。

 「ケガの影響で函館(記念)を休んで、走れていなかったので、不安な部分もあったけど、自転車、体は思ったように動いてくれました。でも、決勝はまだ甘い部分があったし、この悔しさを次にぶつけたいですね」

菅田壱道

菅田壱道

 菅田壱道は1228着と大暴れ。デビュー11年目で待望のG1初優出を果たした。

 「選手になった以上はG1の決勝は目標でした。なかなか乗れなかったんですけど、乗ってしまうと何かあっけない感じですね。今回は集中して走れたと思います。でも、決勝は何が起きるか分からないし、難しかったです。新田さんに付いていけなくて申しわけない気持ち。うまく対応できなかった」

 深谷知広はシャイニングスター賞で圧巻の逃げ切り勝ち。後方8番手で凡走した準決勝以外は文句なしの強さだった。

 「初日に照準を合わていたし、調子の持っていき方は間違っていなかったと思う。準決勝は人任せのレースをしてしまった。あとはシリーズを乗り切る体力をつけたいですね」G1初出場組が短走路で大活躍

山本伸一

山本伸一

中井俊亮

中井俊亮

 新興勢力の台頭が光った大会。なかでも近畿勢は山本伸一、中井俊亮の推薦枠でG1初参戦の2人が短走路で躍動した。山本は一次予選、二次予選と先行、まくりで連勝。準決勝でも新田祐大を相手に果敢に逃げて、村上義弘を決勝に導いた。

 「脚力も上がってきたし、経験値も上がってますね。先行の仕方が分かってきて、戦法の幅も広がってきました。準決勝は最低限の走りができたと思います。輪界一(の新田)にすんなり中団に入られてはきつい。でも、気持ちは入っていたし、雰囲気にも飲まれなかった。今回は収穫もあって、反省点もあった。次につながります」

 同じくG1初出場の中井は力強い先行策で準決勝に進出した。

 「準決勝までは良かったけど、最終日は情けないレースをしてしまった。(シリーズ通して)手応えはつかみましたけど、課題の方が見つかりました。1個ずつ課題をクリアして、もっと脚をつけてきます」一丸となって戦った地元勢

中村浩士

中村浩士

 地元千葉勢はオリオン賞に選ばれていた近藤隆司がギックリ腰で前検日当日に欠場。それでも総勢14名が力を合わせて大会を盛り上げた。中村浩士は2333着で表彰台入り。

 「支部長としてずっと準備とかで忙しかったけど、選手としてもできる限りの調整はしてきました。調子はそれほど完璧っていう感じではなかったんですが、初日から南関の自力型が頑張ってくれたおかげです。(G1決勝は)もう乗れないと思った時期もあったし、競輪って分からないものですね」

海老根恵太

海老根恵太

 海老根恵太は1812着でシリーズ3連対。二次予選で敗退したが、4走とも番手回りで存在感を示した。

 「二次予選が悔しかったし、情けなかったです。今回はすべて前のおかげですね。自分が前になることもまたあると思うけど、まだG1で自力で戦える状態ではない。自力でも戦える脚をつけたいですね」

 山賀雅仁もシリーズ2勝。地元のファンを沸かせた。

 「今回はこれ以上ないという仕上がりで勝負して、持てる力は存分に出し切りました。2勝できたのはよかった。でも、みんな強いし、今のままでは厳しいですね。勉強になりました。特別は競輪祭まで出られないので、今が底だと思えるぐらいにこれからもっと高めていきます」

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