• 取手競輪開設69周年記念水戸黄門賞6/1〜6/4

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 取手 06/01

野口裕史

野口裕史

 初日特選と同じメンバーで結束した中四国勢4車と、野口裕史の番手で和田健太郎と村上博幸が競り合う、実質二分戦となった決勝戦。中四国ラインの先頭を務めた松浦悠士が、ごちゃついた前団を一気にまくり切って、昨年12月広島以来2度目の記念制覇を達成した。

 先頭誘導員の早期追い抜きの失格基準が厳しくなるなど、競技規則が変更されて迎える初めてのグレードレースだった今シリーズ。その中で連日、インパクトを残して優出したのが野口裕史だった。

 「新ルールは僕に合っていると思います。前を取って突っ張る時は、誘導のスピードが上がっている分、ガツンと踏まなくていいですからね。警戒して早めに押さえに来るようなら、下げて普段の後ろ攻めのレースと変わらないんで。でも、もうちょっと勉強したいですね。これからF1がしばらく続くので、どうやったら上がりタイムの出る駆け方ができるのかとか考えていきます」

河野通孝

河野通孝

吉田拓矢

吉田拓矢

 毎年、関東勢の主軸として地元記念を盛り上げてきた武田豊樹だが、今年はダービーの落車で欠場。さらに、吉澤純平も二次予選で落車し、途中欠場を余儀なくされた。決勝に地元勢の名前はなかったが、各々が課題と手応えをつかんだ開催となった。河野通孝は、1着と3連対。一次予選では吉澤を交わし、二次予選では吉田拓矢の番手から鋭く伸びた。

 「今まではだんだんキツくなって離れていたと思うんですけど、誘導のスピードが上がって自分に向いている気がします。スローペースだとダッシュ勝負になってしまうので。スピードが出ている分、踏んだら流れてくれるんで付いていけますね。今回は地元記念っていう緊張感があったんですけど、上手く集中できました。武田さんの欠場は残念でしたけど、みんな武田さんの分もっていう気持ちで気合いを入れて走れたと思います。来年も出られるように頑張りたいですね」

 ダービーの落車でフレームが使えなくなった吉田拓矢は、今節から新フレームを導入。惜しくも準決勝で敗れたが、最終日は気迫の赤板先行を見せ、次節の宮杯を前に好感触を得た。

 「準決勝で不甲斐ないレースをしてしまったあとに後閑さんと話しをして、もっと見せるレースをしていかないと先がないなって思いました。でも、そういうレースを続けていかないと意味がないんで、続けて行ける脚力と精神力を付けて行かないと。今回から使っている新しいフレームは、踏んだら進むし僕が求めていた感触。あとは、脚の問題です。噛み合ってくれば、もっと良くなると思います」

 前検日から「兄と走るためには、僕が決勝に上がらないと」と、意気込んでいたのが吉田拓矢の弟・昌司だ。二次予選では打鐘前から主導権を握ると、まくって来た岡崎智をキレイに合わせ切って2着に粘った。

 「よく記者の人にゾンビ先行とか、ゾンビまくりって言われます(笑)。地脚だから、死んだように見えても、まだ踏めるんです。今回は初めての地元記念でしたけど、あんまりいつもと変わらなかったですね。緊張も特にしなかったですし。ただ、応援の声はすごい聞こえました。来年も呼ばれたら頑張りたいです」

吉田昌司

吉田昌司

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