総合力高い松浦悠士
競技規則が一部改正となって初めて行われるグレード開催。仕掛けのポイント等レースが変わってくるのかも注目される。見逃せないシリーズは、松浦悠士がV候補の筆頭だ。今年は2月別府の全日本選抜でのG1初優出に始まり、3月大垣のウィナーズカップ、そして5月松戸の日本選手権とビッグで3場所連続のファイナル進出を果たした。先行から追い込みまで何でもできるオールラウンダーとして、完成の域に達している。今シリーズは変幻自在の立ち回りで混戦を断ち切る。池田良も松浦の番手なら力が入る。目立つヒットは見られない近況ながら、5月宇都宮記念でも2連対と自慢の差し脚は健在だ。格上の岩津裕介は今年に入って落車、失格が続いて流れが悪かったが、日本選手権で3度の確定板入り。調子、戦歴ともに上向いてきた。両者で連係実績豊富な松浦をアシストして、しっかりラインで決める。
村上博幸は今年に入って記念2V。高いレベルで戦歴は安定している。スピード競輪に対応すべく、タテ脚を磨いた成果がしっかり出ている。村上が頼りにするのは山田久徳だ。最近は番手戦も増えてきたが、機動力に陰りはない。山本伸一は成績の波が激しいものの、力は見劣りしない。村上後位も三谷将太がガッチリと近畿勢もなかなかの布陣だ。
地元勢は大黒柱の武田豊樹が欠場。しかし、後輩の機動型が代わりに奮起しよう。吉澤純平は2月全日本選抜で決勝3着と好走。その後はパッとしないが、地元記念に向けて仕上げてくるだろう。一昨年の67周年記念では地元記念初制覇。師匠の武田とワンツーを決めている。今年は吉田拓矢との連係が叶えば、番手回りからきちっと大役を果たす。調子を上げていた吉田は5月松戸ダービーで落車。同月宇都宮記念はその影響が残っていたが、地元記念までには立て直してこれるだろう。
原田研太朗に小倉竜二、渡部哲男の四国勢も戦力は引けを取らない。原田は昨年、グランプリ出場の権利を最後まで争ったことで、精神的に大きく成長した。終盤戦はスランプに陥ったが、練習内容を見直して調子、戦歴ともV字回復している。小倉は2月全日本選抜で約8年ぶりのG1優出。その後も好調を持続している。渡部哲男は3月の地元松山で10年ぶりとなる記念優勝。昨年の大ケガから完全復活を遂げている。
松岡貴久を筆頭に、中本匠栄、野田源一と九州勢は曲者がそろう。松岡は3月高松F1の落車からリズムを崩したが、4月川崎ナイター記念で久しぶりにらしさを発揮して決勝に進出した。5月平塚記念でも優出するなど流れは好転している。
南関勢では和田健太郎、小原太樹の2人が競走得点110点を超えている。和田は自力勝負を交えた走りで奮闘している。小原は鋭い決め脚を武器に安定した戦いぶりだ。日本選手権でも3度の確定板入りを果たすなど、抜群の存在感を放っていた。