ピックアップ GⅢ 佐世保 12/23
深谷知広と新山響平の力勝負に注目が集まった決勝戦だったが、最後に笑ったのは昨年のグランプリ覇者、和田健太郎。白のチャンピオンユニフォームを身にまといながらも、苦しみ抜いた一年間を最高の形で締めくくった。
地元の佐藤幸治はS級1班の点数確保と、ウィナーズカップの特選シードへ向けて勝負駆けのシリーズだった。初日7着で勝ち上がりこそ逃したが、結果的には今節2勝を挙げて最低限のノルマはクリアした。
「(シリーズ2勝は)大きいですね。これで今期16勝なのでウィナーズの特選に乗れそうです。ただ、前回まではずっと結果が出ていたし、調子もよかったから初日がもったいなかった。そこだけですね。今年は一年間安定していて、大きな波がなかった。来年の佐世保記念は7月なので、これで1班として出場できそう。それに全プロも佐世保。来年の地元は頑張りたいですね」
石塚輪太郎は先行一本のスタイルからは卒業して、新たな戦法に取り組んでいる真っ最中。だが、最終日には強気な主導権取りで番手の窓場千の1着に大きく貢献した。
「今はもう戦法へのこだわりとかはないですね。絶対先行とか、絶対まくりとかではなくて、タイミング次第で先行もまくりもあるよって感じです。ただ、次の地元(和歌山)記念に向けて積極的な競走は心掛けています。最終日は特秀を走れたし、良いメンバーの中で自分が思っていたよりも粘れたので、次回につながると思う。楽しみですね」
東京オリンピック、静岡への移籍、そして、ナショナルチームからの卒業。深谷知広は、激動の2021年最終戦を先行で締めた。2022年は、新たな仲間たちと共に、輪界のベストナインの座へと返り咲きを目指す。
「(決勝は)相手が相手なので、竹内(翼)もやる気だろうし、チャンスはあそこしかないと思った。初日はどうなるかと思ったけど、2日目以降はどうにか立て直せてよかった。来年も一緒に走っていくメンバーで、しっかり戦えて、ラインから優勝者を出せた。来年はグランプリ争いに加われるように、そこに戻れるように頑張りたい」
最終日にはレインボーカップチャレンジファイナルが行われた。オール119期のメンバーで争われた超激戦は、北井佑季がラインの結束力を示して優勝した。来期からは戦いの舞台を一つランクアップさせる。
「神奈川が3人並んで、金田(涼馬)君が前にいく強い気持ちでいってくれたおかげで、結果、梅田(加津也)君とワンツーができた。養成所に入る前から師匠(高木隆弘)に朝から晩まで面倒を見てもらっていました。偉大な人なので、師匠に追いつけるように、これからもやっていきたい。(A級1、2班戦でも)まずは積極的なレースを繰り返して脚を付けて、結果が伴ってくるようになって、S級にいければ良いなと思います。年齢どうこうは関係ないですし、焦らずに、新人ですし、若手の気持ちを忘れずに。お世話になっている師匠や、金田君の気持ちを背負って一走、一走、走っていきたいです」