パワーアップした新山響
最近の新山響平は機動力に一段と磨きがかかった印象がある。後半戦に入ると成績は急上昇。共同通信社杯では16年の競輪祭以来となるビッグレース優参を果たすと、9月青森、10月豊橋を連覇。更に寬仁親王牌は準決で郡司浩、古性優、山田庸らを相手に逃げ切り決勝に乗って、競輪祭では着の大活躍を演じた。準決、決勝ともに先行で勝負したのは自信を深めていたからだろう。昨年のこの大会は着、決勝は逃げて粘っている。パワーアップした今年は逃げ切りだ。北日本勢は他にも寬仁親王牌で決勝3着の菅田壱道、9月青森記念でG3初Vを達成した佐々木雄一、10月青森の準決で新山とワンツーを決めている佐藤友和と戦力は充実している。好連係を決めての北日本勢での上位独占は大いにあろう。
深谷知広率いる南関勢も強力なラインナップだ。SS班の和田健太郎、ビッグレースで存在感を示している鈴木裕の千葉コンビが深谷を盛り立てれば北日本勢に見劣りしない。今年はまだGレースでの優勝には手が届いていない深谷ながら、全日本選抜、ウィナーズカップ、オールスターで決勝に乗っていて、パワーはSS班の自力型に引けを取らない。機動力を遺憾なく発揮できれば勝ち負けに持ち込める。今年は度重なる落車に泣かされた和田だが、競輪祭着の動きは悪くなかった。続く12月広島記念の二次予選は根田空の逃げを差して千葉ワンツーを決めていて、着実に良化している感がある。鈴木も競輪祭では一次予選1、最終日選抜で2連対しているし、12月西武園着の走りは力強かった。千葉コンビは両者ともにチャンスが巡ってくればものにできる状態にある。
迎え撃つ九州勢も総合力はかなりのものがある。井上昌己、園田匠、嘉永泰斗、小川勇介、坂本健太郎と実力者がズラリ。中でも地元の井上はこの大会には素晴らしい成績を残していて、61、64、65周年と3Vを達成している。調子の方も上向きで、10月広島で着と優勝すると、競輪祭では補充出走ながら着、最終日特選は山田庸の快速まくりを差して勝っている。先陣を受け持つのは精鋭の嘉永だ。10月熊本記念in久留米2着では待望のG3初Vを飾っている。その後も同月別府1着、11月松山1着など気配は引き続き良好。園田も最近の伸びは申し分ない。競輪祭着の脚勢は、どこからでも突っ込んできそうな勢いだった。九州ラインがレースを掌握なら首位に躍り出ても不思議ではない。ここに来て勝率急上昇の坂本も侮れない。9月和歌山で優勝すると、11月岸和田は3連勝。競輪祭でも最終日に1勝を挙げている。
底力はある柴崎淳だが、最近のスピードは今ひとつ物足りない。今シリーズの中部勢は上位クラスが手薄でもあり苦戦は免れないか。