ピックアップ GⅠ 平 05/03
今シリーズは予選からのスタートだった脇本雄太が、着で19年に次いで2度目のダービー制覇。二次予選3着で準決にコマを進むことができた4人は、すべて特選組。脇本のように予選からファイナルのキップをつかむのは、他のG1と比較しても容易ではなかった。例年通りと言ってはなんだが、輪界一権威のあるタイトル、日本選手権の勝ち上がりのシビアさを痛感させられた。それだけに一次予選からタフな戦いが繰り広げられ、嘉永泰斗の番手を和田真久留にさばかれた井上昌己は4着で敗退。しかしながら、その後は3連勝とさすがの差し脚を見せた。
「(一次予選は)難しかったですね。ああなった時のさばきのテクニックがまだまだです。脚的にはそんなに悪くない。(3走目は)自分も余裕はあった。あとは阿部(力也)君のところがキツかった。自分のところに来るかと思って、外を回しました。それでも最後は抜けてるんで良かった」
井上にとって最後のG1優出は、17年岸和田の高松宮記念杯。5年近く遠ざかってはいるが、3度目のタイトルを獲れるだけの脚はある。
吉田拓矢は着。特選、ゴールデンレーサー賞ともに、ラインの平原康多とワンツー。抜群の動きを見せたが、勝負どころの準決では脇本雄太との対決で後手を踏んで不発。近畿ラインでの上位独占を許した。それだけに最終日は思うところもあったようで、逃げ切りでの武藤龍生とのワンツーに留飲を下げた。
「(関東では)眞杉(匠)と平原(康多)さんが決勝に乗ったけど、僕もあの位置にいないといけない。昨日(準決)はいいところがなくて、自分のダメなパターンだった。自分自身に腹が立った。持ち味が出せなかった。それで今日(最終日)は、気持ちを入れ直して勝負ができたんで良かった。連日、仕掛けて確定板にのれているんで状態は良かった。次の宇都宮記念(5月19日から)も(地元の)眞杉とかがいるけど、僕も優勝するつもりです」
特選では松浦悠士、山口拳矢らをクギ付けにして、マークした佐藤慎太郎の追撃振り切った深谷知広。仕上がりの良さをアピールする逃走劇を見せたが、ゴールデンレーサー賞、アクシデントもあった準決では見せ場をつくれず、最終日に2勝目を挙げた。
「(最終日は)準決の反省を生かして、まくりに切り替えられたことは良かったですね。(最終)バックで一瞬、待ってしまって、まくり追い込みにはなってしまいましたけど。最低限なんとかですね。真っ向勝負、力勝負ができればもっと良かった。今回は1走目に照準を合わせすぎたのかなっていうのはあるんですけど、やっぱり1走目に100パーセントじゃないと突破できない難しさもある。最終日に向けて上げていって、勝ち上がれるような脚をつくっていきたい」
一次予選で6着に敗れた石原颯だったが、シリーズの4走すべてを先行策。最終バックを取り切って、2度の逃げ切り勝ち。鎖骨骨折の怪我明けながらも、G1では初めて複数勝利を遂げた。
「(シリーズを通して)しんどかったけど、全部、先行できてバックも4個取れた。内容としては良かったし、(感じは)そこそこかなと。(鎖骨骨折は)前にやったところが治り切ってない時にまた落車してしまった。(今回が復帰場所だけど)怪我前より強くなれるようにと思ってます」