豪脚誇る脇本雄がV最短
過度の疲労による腸骨骨折が原因で、昨年10月から約4カ月の戦線離脱を余儀なくされていた脇本雄太。2月奈良記念から復帰後は、勝ち上がり戦では勝ち星を積み重ねていたものの、Gレースの決勝となると中四国勢の連係プレーに後塵を浴びていた。しかしながら、3月玉野記念の決勝では中国勢の連係を粉砕。ジャンの3コーナーから仕掛けて中国勢に襲い掛かると、番手を回っていた松浦悠士のけん制を凌ぎ、更に番手まくりもねじ伏せた。ようやくらしさが戻ってきた印象だ。19年の松戸以来となるダービー2V目に向けて視界は良好だ。タッグを組む古性優作は順調そのもの。全日本選抜で優勝し暮れのグランプリ出場権をゲットすると、ウィナーズカップは危なげなく決勝に乗っている。更に4月平塚記念は着とオール連対。昨年は当所のオールスターで脇本の逃げを差して初タイトルをものにしており、この再現は大いにありそう。
迎え撃つ地元勢は強大な勢力だ。中でも新田祐大は世界レベルのスピードで別線をねじ伏せていて、4月はF1戦ながら京王閣、青森と6連勝。地元G1をVの期待も大きい。当所で行われた昨年のオールスター決勝は、脇本に先手を奪われ不発に終わっただけに雪辱を期す。佐藤慎太郎は相変わらず高いレベルで成績をまとめている。4月平塚記念では平原康多の逃げを差して優勝。勝機が巡ってくればものにできる状態だ。成田和也も今年は年頭から伸びがいい。1月大宮記念で準Vと好スタートを切ると、全日本選抜、ウィナーズカップとビッグレースで続けて決勝に乗っている。
関東勢は平原、吉田拓矢、宿口陽一と3名のSS班を擁する。エースの平原は力強い走りを披露していて、1月大宮記念、3月大垣記念はいずれも4連勝。4月平塚記念の決勝で逃げて3着の動きも申し分なかった。勝率も昨年の39%から今年は58%にアップしているのは充実の証だろう。G1で8Vの実績はあるものの、まだダービーは手中に収めていない。そろそろという気持ちは強いはず。
南関勢では郡司浩平に期待がかかる。1月和歌山記念、4月川崎記念とG3では2Vを飾っているが、全日本選抜、ウィナーズカップでは決勝を外していて、ビッグレースでは結果を残せていない。そろそろ流れを変えたい。対照的に深谷知広は全日本選抜、ウィナーズカップと続けて優参を果たしている。スピードは一級品で、仕掛けがツボにはまると怖い。
ウィナーズカップの決勝でワンツーを決めた松浦、清水裕友の中国ゴールデンコンビも好勝負が見込める。両者ともに攻め口は多彩なので並びは流動的だが、どちらが前で戦っても総合力は高い。松浦は3月玉野記念着、4月川崎記念着と相変わらず安定感は抜群。清水はウィナーズカップの後は欠場が続いていて、ダービーは1カ月半ぶりの実戦となる。体調、レース勘には一抹の不安が残る。