ピックアップ GⅢ 久留米 06/25
梅雨明けと共に、気温が一気に上昇。うだるような暑さのなかで行われた今大会は、自力型の活躍がめざましかった。優勝した北津留も、勝ち上がりのまくりの上りタイムは連日10秒台を記録。冬場よりもタイムの出やすいこの季節が今年もやってきた。ハイスピード化の進む競輪界で、今年の夏は、どんな熱戦が待ち受けているのだろうか。
金ヶ江勇気は、白星こそなかったものの、初日は岡崎智にまくりで迫って2着。最終日は、山根将と、黒沢征の踏み合いを一気にまくって、坂本健、菅原との九州ライン独占を演出した。九州勢の若手の台頭が目立つだけに、自身も遅れを取ってばかりはいられないだろう。
「(最終日は別線が)踏み合うことも想定していたし、落ち着いて仕掛けようと思ってました。今回は俺、存在感あったっすね(笑)。特に練習で変えたこととかはないんですけどね。武雄記念から使っているフレームがいいのかも。もう少ししたら、新しいフレームが届くんですよ。今のを参考にして作ったし、楽しみですね。九州は生意気な後輩たちがみんな活躍しているし、俺も負けてられない。刺激になっているし、もっと頑張らないと」
根田空史は2月全日本選抜の落車で人生初の鎖骨骨折に見舞われた。4月の復帰戦を見るに、復活には時間がかかるかと思われたが、今節の3日目に復帰後初勝利をマーク。本人も確かな手応えを感じていた。
「2日目は車間が詰まり過ぎて仕掛けるタイミングを失ったけど、その反省を生かして車間を切ってタイミングを取れた。暑過ぎてアップを少し短めにしたのと、セッティングを少しいじって、ハンドルを少し下げたのがよかったと思う。やっとですね。やっと復帰してからの初勝利ですよ。練習中に手術したワイヤーが肩から飛び出したこともあった(笑)。今はワイヤーも抜いて、かなり違いますね。まだ初速が抜けてる感じがするからそこは課題です」
木村弘は、4月に大腿部腫瘍の除去手術に踏み切り、今節が復帰2場所目。4日間バックを取る競走で、持ち味を全て出し切った上で3度の確定板入りに2連対を果たした。みちのくの徹底先行は、理想のフォームを追求し、欠場以前よりもレベルアップを果たすつもりだ。
「自分で思っていたよりもやれました。実際、手術してから2カ月くらいは自転車に乗っていませんでしたから。手術する前から守澤(太志)さんのフォームを参考にしていて、それは今も変わらない。今のフォームは力んでも進まないですし、そこはしっかり意識している。この乗り方だと、手術したところは正直痛い。でも、辞めるわけにはいかないので、ケアをしっかりやって付き合っていくつもりです」
最終日の9レースには、恒例のレインボーカップチャレンジファイナルが、A級1、2班への特班をかけて119期9人で行われた。競技活動との兼ね合いもあり、来期の昇班が決まっていなかったのは窪木一茂ただ一人。優勝こそ深瀬泰にさらわれてしまったものの、2着で勝負駆けを成功させた。競技との二足の草鞋を履きながらも、どちらの世界もトップを目指して精進する。
「正直、アップの時の感触が良くなくて、モガいてモガいてやっと顔見せの時に仕上がったかなって感じでした。上遠野(拓馬)君も頑張ってくれていたので、残したかったですし、ギリギリまで待ってって感じで。内側から来られたのは分かったんですけど、最後は踏み直せなかったですね。1着を取りたかったですけど。でも久々に競輪を走ったらやっぱり楽しいですね。競輪から離れていると、勝てないんじゃないかとか、自転車のポジションもなかなかでなくて嫌いになりそうなんですけど。これで昇班できたと思うので、まずはラインに感謝して。1、2班戦はしっかりと自力を出していかないとですね。チャレンジの時はなかなか走る機会もなかったですし、勝負に徹していた部分もあったので。7月末に伊豆で、8月末に千葉でトラック競技があって、10月には世界戦も控えているので。そっちも頑張っていきたいですね」