ピックアップ GⅡ 函館 07/15
5月の函館記念で嘉永泰斗が塗りかえたバンクレコードを6年ぶりの函館となった脇本雄太が、準決で10秒6のタイムを叩き出しレコードを更新。決勝でも役者の違いを見せて、関東勢をのみ込んだ脇本がラインでワンツー。「自分の力だったらどうだったかなという思いもある」と、V会見で振り返った松浦悠士。結果で応えた力もさることながら、脇本マークというその賢明な選択の賜物だろう。
初日特選で脇本の加速にわずかに遅れて、さばかれた古性優作はシリーズを着。最終日こそ南修二とのワンツーを結実。人気に応えるまくりで格の違いを見せたが、精彩を欠いた3日間ではあった。
「(今シリーズは)正直、かなりしんどかった。今日(最終日)も1着が取れるイメージがわかなかった。踏み出した時もめちゃめちゃ重たかったです。2日目も苦しまぎれに行ったけど、出切った時に良くなかった。(優勝した前回の)前橋はバンクが軽かったし、組み立てでなんとかできたけど。このクラスだとG2でも難しかった。オールスターに向けて疲労をためている段階だけど、それにしても走れなさすぎた」
前回の高松宮記念杯を優出の山田庸平だが、今シリーズはフレームをチェンジ。あらたな引き出しを模索したが、その自転車がマッチしなかったようだ。
「(最終日は1着ですけど)なんとも言えない、調子がいいとは思ってない。(理由は)フレームを換えたことと、練習をやれてないことですね。(今回使ったフレームは)前は冬場に使ってたんで、暖かくなればいいかなと思って使ったんですけど。(次の福井記念は)戻す予定です。(中3日だけど)早く帰って練習をしないと。そうしないと今回の調子がどうだったかのかがわからない」
初めてのビッグだった橋本壮史は、初日、2日目と先行策に出て連続のシンガリ負け。しかしながら、最終日は冷静な立ち回りからまくりを打って、ビッグ初勝利を挙げた。
「(最終日は)正直、(島川将貴を)叩きたかったですね。自分が先行するつもりだったけど、島川さんがヤル気だった。(4番手に入ってからは)思ったよりも脚がたまってた。(ビッグ初出場の今シリーズは)まだまだですね、自分の力を思い知らされました。記念とかとは、全然雰囲気も違いますね。今日(最終日)1着を取れたのは自信になるし、落ち着いて対処できたんでいいのかなと。(8月のオールスターでの初めての)G1の前にG2の大きい舞台で勉強できたことを糧にしていきたい」
ここまで今年はすでに12Vの坂口楓華だが、なかなかビッグレースでは勝ち星を挙げられずにいた。今シリーズは33着で決勝進出こそかなわなかったが、最終日は逃げ切りで1着。
「(最終日は)思い切った自分らしい走りをしようと。カッコいいと思ってもらえるようなレースを心がけているんで。(尾方真生が)内に詰まってたんで行くしかなかったし、行くべきところでいけた。決勝に上がれなくて、すごく悔しかったけど、(気持ちを)切り替えて走れた。(シリーズを通しては)なかなか思うようにはいかないけど、ちょっとずつ(力は)上がってきていると思います。ただ、決勝にいけてないっていうことは、まだまだですね」