ピックアップ GⅠ 小倉 11/21
眞杉匠がオールスターに次いで今年2度目のG1を制したことで、新山響平がグランプリ最後の椅子に滑り込んだ。清水裕友、深谷知広のS班返り咲きの2人を含めて、入れ替わりは4人。昨年のグランプリ9人の平均年齢が35.1歳で、今年は32.1歳。眞杉、山口拳矢のグランプリ初出場組はともに20代。新たな時代に突入とは言えないまでも、グランプリの“色”が変わるかもしれない。
グランプリ出場には条件付きだが準Vでも可能性があった郡司浩平だけに、優出が絶対だったが準決は惜しくも4着。絶好の展開も眞杉匠のまくりを止め切れず、さらに内を行かれたこともあり伸びを欠いた。賛否もあるだろうが、あのブロックに“一片の悔いなし”。郡司はスキルアップと脚力向上を誓った。
「(準決は)ああやって、(松井)宏佑が展開をつくってくれた。(最終)4コーナー前に(前を)踏んで確実に3着までを取りにいくっていう選択もあった。でも、自分は何回走っても、あれで止めにいく(選択をする)。それで抜かれたら自分の力不足。もっと技術的なものだったり、脚をつけていきたい。現状では1年を振り返って、あそこがああだったらなっていうのはあるけど、そこをしっかりと受けとめて、打倒(新)SSで対抗できるように」
1年でS班カムバックを果たした清水裕友は、獲得賞金枠で5回目のグランプリ出場。大きく賞金を加算した5月準Vのダービー、6連覇の偉業を遂げた防府記念をはじめ中四国勢の層の厚さを強調する。
「去年(S班から)落ちた時には、1年で戻ろうっていう気はサラサラなかった。実際に無理かなっていうのもあったんで、力をつけてからだと思っていた。それが中四国の層の厚さに便乗した感じです。自分の力でグランプリに乗ったという感じではない。デキすぎですね。いまの脚じゃグランプリは厳しいので、あと1カ月しっかりとやってきます」
最終日に落車に見舞われた平原康多は、今年を象徴するようなアクシデントでもあった。5日目の坂井洋とのワンツーが、シリーズ唯一の白星。11年連続のグランプリは途切れたが、怪我を克服して、いつものS班の赤いレーサーパンツに早く戻ってほしい。
「(5日目に今年を振り返り)毎年、怪我はするけど、今年は大きな怪我が続いて治すことができずに1年を終える。それが自分の今年の実力。(原因は怪我なので)まずは、その1つ、といってもそこが大きい問題なんですけど。関東から一人でもSSが出てくれて良かった気持ちもある。眞杉は不安のなかでいるみたいで、相談を受けるんで自分のわかる範囲で話していますよ。コロナの時期に7車立ては走っています。あとは選手として与えられたところで一生懸命頑張るだけ。再来年、赤いパンツをまたはけるように努力するだけです」
ガールズケイリンは、さらに大きく羽ばたいた年でもあった。パールカップ、オールガールズクラシック、そして今シリーズの競輪祭女子王座戦と3つのG1が新設。年末のグランプリもGPに格付けされた。初代のグランプリ女王の小林莉子が、自身をふまえてこう振り返った。
「(今年3つのG1を戦って)攻めの走りをするっていうことに気づくのが遅かった。トップスピードも足りていないなって感じました。(G1ができたことで)ガールズケイリンが注目されるし、レベルも上がってくる。質の高いプロスポーツになってきていますね。うれしい反面、キツい部分はあります。ここ数年でスピードが上がっています。ナショナルチームだったりがいてっていうのはもちろんですけど、ディスクホイールの時よりもタイムが出ている」