ピックアップ GⅢ 伊東 03/14
決勝は4車で結束した地元の南関勢が、数的有利を生かしてワンツー決着。4連勝で完全Vの岩本俊介が、準決以外はすべて番手回りというシリーズだった。「立ち回りは難しくなってるんですけど、動けるうちは自力でやりたい」と、当然ながら自力を捨てたわけではない岩本がV会見で振り返ったように、多くの一流選手が通ってきた道は決して簡単なものではない。番手、自力でのスイッチのオンオフが機械のように切り替えられれば、誰も苦労することはないのだが…。
根田空史は、新村穣とのタッグで番手になった準決以外の3走は先行策。初日特選は後ろの岩本の勝ち星に貢献して、二次予選では地元の岡村潤とワンツー。動きの良さが目に見えていただけに、準決での課題が浮き彫りになった。
「状態は良かったし、決勝にいくつもりで仕上げてきた。だから、番組的にはしょうがないけど、昨日(3日目)は悔しかった。やっぱり自力というか、先行ありきになっている。準決だってあそこを対処できたら、先行はやってないですよ。いまは自転車(のセッティング)も先行に特化した形になっている。まくりも出づらい感じになっている。人の後ろを回るような自転車じゃない。中村(浩士)さんに相談してどうするかですね。先行にフリすぎているんで、そこを考えないと」
谷和也はシリーズを1着。岩本俊介に力負けした準決が悔やまれるほど、他の3走の積極策が光っていた。準決で番手を回った松岡健介も「若い子も経験になったし、これを生かせれば近畿の底上げにもなる」と、これからに期待した。
「最終日は(齋木翔多が)早めにフタをしてきたけど、風が強かったんで(齋木は脚が)削られるなっていうのがありました。それで自分は一撃でいこうと思ってました。(シリーズを通しては)自信になる4日間でした。ただ、準決は110点クラスの選手の強さを体験した。スピードが違いました。組み立てもそうですけど、細かいポイントをもっと詰めていかないと
前回から20日近く空いた酒井雄多は、練習で意識して取り組んだペダリングなどの乗り方がシリーズを追うごとになじんで好感触。シリーズ3勝目となった最終日には、笑みを浮かべて振り返った。
「初日、2日目より今日(最終日)の方が脚の回りは良かった。(一次予選、二次予選を連勝で)たまたま着れたけど、ペダリングにしても、今日の方が踏めていた感じがあった。3勝できたのはうれしいけど、最終日はG1の先行選手(根田空史)を体感して、いかに自分の先行がショボいかもわかった。もっと力とつけてないかないといけない」
日野未来は4日間、潔いほどの力勝負で果敢に先行。決勝では日野のダッシュに一瞬、遅れかけた小林莉子も「あの上を(日野が)カマすのは衝撃だった」と、タイヤ差での辛勝のVに脱帽。準Vの日野が大舞台を見据える。
「決勝は(鈴木美教、鈴木奈央を入れたところは)迷ったけど、(以前に)あれで内に包まれて終わった伊東の決勝があったので引きました。そのあとはめっちゃキツかった。でも、行くしかないので全力でモガきました。(シリーズを通しては)出し切るだけなら誰でもできるんで、1着を取れるにペースだったり、踏み方をやっていかないと。(今年は)G1の予選で自力を出せるようにって思っているので、そこに向けて日々、考えてやっています」