総合力高い吉田拓を信頼
ウィナーズカップ直前の開催のためトップクラスは少ない。そんな中、吉田拓矢の実績はひときわ光る。昨年はダービーでゴールデンレーサー賞にコマを進めると、オールスターはオリオン賞を制して決勝に乗っている。最近の調子も良好で、2月高松記念の一次予選は、最終バック先制のまくりで白星スタートを決めると、二次予選は先行して2着。準決は4着で決勝は外したものの、犬伏湧の番手に追い上げた動きは悪くなかった。関東の上位陣には仕掛け早い自力型が見当たらないので、今シリーズは先頭で戦うレースが多くなりそうだ。雨谷一樹、神山拓弥の栃木コンビが吉田と茨栃ラインを形成する。雨谷は自力も出せるが、吉田との連係が叶うようなら前を任せよう。今年はF1戦で3場所続けて決勝を外すなど今ひとつだったが、全日本選抜の一次予選は、小林泰のまくりに食い下がり2着。吉田と好連係を決めての関東ワンツーは有力だ。神山は相変わらず堅実な走りを披露している。1月宇都宮で地元Vをものにすると、2月静岡記念は決勝に進出。全日本選抜では3日目に一般戦ながら連に絡んでいる。茨栃ラインがレースを支配なら連に浮上してこよう。
ラインの総合力なら南関勢も引けを取らない。スピード豊かな岩本俊介、根田空史の千葉同期生コンビ、地元Vに闘志を燃やす岡村潤、道場晃規とそろっている。今年の岩本は順調そのもの。1月岸和田でVスタートを決めると、全日本選抜では予選を2、3着で準決に進出。2月高松記念の二次予選は、まくって勝ち星をゲットしている。最近の根田は決勝での連対こそないものの、積極的な競走が目に付く。全日本選抜は一次予選の3着が最高の数字も4日間先行した。ここも強気な競走で別線を沈黙させるか。道場は自力攻撃に破壊力を増した感がある。2月奈良記念では2着と3連対。3日目はまくり勝ちだったが、残りの3日間は逃げている。岡村は差し脚快調。1月平では大石剣の動きに乗ってVを手にすると、2月静岡記念は2着と3連対を果たした。千葉コンビと連係か、別線勝負するかはメンバー構成次第か。
直近4カ月の競走得点トップは井上昌己。全日本選抜では、最終日に北津留翼の快速まくりを差して1勝をあげているし、1月大宮、同月平、2月高松と、今年はここまで記念開催はすべて決勝に乗っている。西日本は自力型が手薄の不利はあるものの、まくり兼備の差し脚は破壊力抜群。好位置占めれば勝ち負けに持ち込める。
西日本の自力型では小川真太郎に期待がかかる。今年は2着が目立っていたが、2月奈良記念の最終日にまくりで勝ち星をゲット。混戦になれば十八番のまくりが飛び出す場面も。同県の原田研太朗もまくりが主武器で、人の後ろは回らないのがポリシー。年齢の若い小川との連係の有無も含めて出方は流動的か。
一発の魅力を秘めるのは谷口遼平だ。全日本選抜では着と2連対。最終日は犬伏湧と眞杉匠がやり合ったとはいえ、まくりを決めて穴党ファンを喜ばせた。