• 岸和田競輪場第75回高松宮記念杯競輪・第2回パールカップ6/11〜6/16

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅠ 岸和田 06/11

 一時期は“引退の”二文字がよぎるほど、怪我で心が折れそうになった石井貴子が、パールカップでG1初制覇。また、高松宮記念杯では、プロサッカー選手、Jリーガーから競輪に転身した北井佑季が初戴冠。ともに乗り越えてきた苦労は、誰の目にも明らかだっただけに、地区を越えて多くの選手が彼女らの優勝を称えた。

 地元での高松宮記念杯3連覇がかかった古性優作は、V獲りならそこしかないという執念の中割り。結果的に審議はセーフも「南(修二)さんのコースだし、(ゴール後に落車した)北井さんにも申し訳なかった」と、振り返った。前検日の「3連覇というよりも普通に優勝したいですね」との言葉通り、決勝でも古性に優勝をお膳立てする近畿シフトというよりは、ラインの全員にチャンスをという戦い方に見えた。目先の3連覇よりも先を見据える古性は、常人には到底及ばないレベルの高いところにいるのかもしれない。

児玉碧衣

児玉碧衣

 パールカップ連覇とオールガールズクラシックからのG1初制覇が期待された児玉碧衣は、まさかの準決敗退。ただ、レース内容は申し分なく、今後はパリ五輪後のナショナルチーム組との激突を視野に入れたさらなるレベルアップを求めてく。

 「3日間出し切れましたけど、やっぱり末脚が課題です。風も強かったっていうのもありますけど、踏み直しの部分ですね。ちょっと新山(響平)さんに練習方法とかを聞いてみます。どうやったら(前半)11秒6で駆けて、(後半)11秒2で上がれるのか。ガールズケイリンフェスティバルは獲ったことがないタイトルなので獲りたいです。(ガールズケイリンフェスティバルは)今年最後なので勝って終わりにしたいですね」

日野未来

日野未来

 日野未来は、機動タイプがそろった西日本での勝ち上がりで持ち味を生かせずに準決敗退。しかしながら、こじんまりとまとまることを良しとせず、次の大舞台、8月のドリームレースに向けて迷いはない。

 「西日本は自力選手が多くて、普段の開催も自力でやっているので追走もうまくできてない。準決は(周回中に)どこかに入ろうとした時点で負けでした。G1だと自分の自力がまだ足りないので、(自分の力が発揮できる)そういう組み立てをさせてもらえない。もっと強かったらって思います。アオイちゃん(児玉碧衣)みたいに仕掛けて、力強く走りたい。難しいことですけど、その気持ちで夢を大きく持ちたい」

守澤太志

守澤太志

 前回、向日町の最終日に落車に見舞われてG1を迎えた守澤太志は、目標不在の二次予選で先行策。森田優弥にまくられて勝ち上がりは逸したが、4、5走目を連勝してシリーズを締めた。

 「(4走目の感触は)1走目よりだいぶ上向いてきました。2、3走と走って、今日(4走目)は余裕がありました。1走目は前回の落車でダメージがあったし、セッティングも出ていなかった。3走目からは新山(響平)君のセッティングをほぼ全部、パクった。3走目は先行しちゃいましたけど。まくられてもタイムが出てたんで、自信にはなりました。久しぶりの1着が取れたし、だいぶ上向いてきた。(シリーズを通して)初日がめちゃくちゃだったので、修正しながら後半に上げてこられた。ある程度は戦える感じになってきました」

和田健太郎

和田健太郎

 ダービー前のトレーニング中にアクシデントが襲った和田健太郎は、足の親指を骨折。ダービーでは3走続けてのシンガリと精彩を欠いていたが、今シリーズはまずまずの動きで最終日に勝ち星を挙げた。

 「ダービーと比べたらマシになっていますけど、ラインの力と展開があってこその結果です。自分の場合はもっと窮屈な位置だったり、後方になった時にそこからどれだけお客さんが買っている(3着以内)ところまでに突っ込めるかっていうのが、自分の持ち味だと思う。もう怪我をしてからサマーナイトフェスティバルをだけを見据えてやっている。やっぱり(松戸なので)地元で(の開催は)特別な思いがありますし、少しでも上げていけるようにしたい」

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