大会3連覇を睨む古性優
過去にこの大会で3連覇を達成したのは、54~56年に中井光雄氏(故人)、85~87年に日本競輪選手養成所の滝澤正光所長の2人しかいない。一昨年、昨年と連覇している古性優作がこれに続くか注目される。
輪界トップのオールラウンダーである古性は、今年も躍動感にあふれる競走を披露している。ビッグレースでの優勝こそないものの、オール優参して全日本選抜4着、ウィナーズカップ準V、ダービーは3着。常に優勝争いに加わっているし、G3は5月函館記念で3V目をものにしている。脇本雄太、寺崎浩平の福井コンビに、三谷竜生、南修二、東口善朋と近畿勢はラインの総合力でも上位。地元ファンの声援にも後押しされて、偉業を達成とみて中心視した。持病の腰痛のため、4月西武園記念の2日目から欠場していた脇本雄太は、高知全プロ記念から実戦に復帰。結果は❾着。初日優秀は7番手からのまくり、スーパープロピストレーサー賞は、寺崎に前を任せたので参考外も、まだ本調子と言える状態ではなかった。どの程度の体調で参戦できるかが浮沈の鍵となりそう。
今年はSS班に返り咲いた清水裕友も有力な優勝候補。1月大宮記念でVスタートを決めると、その後も豊かなスピードと俊敏な立ち回りを武器に、安定感抜群の成績を残していて、獲得賞金ランキングは第3位に付けている。対照的に昨年のグランプリチャンプ・松浦悠士は、ウィナーズカップでの落車の怪我が完治していない状態でダービー、全プロ記念は伸びが物足りなかった。調子の上積みが欲しい。
南関勢も戦力は充実している。全日本選抜を制した郡司浩平、6年ぶりにSS班復帰を果たした深谷知広、パワー先行際立つ北井佑季、ダービー準Vの岩本俊介、スピードスター・松井宏佑ら自力型がズラリ。幅広い組み立てが可能なのは強みだろう。好連係を決めてレースを支配できれば、南関勢から優勝者が出てもおかしくない。
関東勢は大将格・平原康多のダービーVで意気上がる。昨年は2冠に輝くなど、一段と飛躍を遂げた眞杉匠、ダービー決勝で平原のVに貢献した吉田拓矢、ダービーではゴールデンレーサー賞を制した坂井洋など、若手も好調者がそろっている。ダービーに続き、関東勢がVをさらう場面は考えておきたい。
新山響平、佐藤慎太郎の北日本SS班コンビは、両者ともに今ひとつだが、先頭員早期追い抜きによる失格で、戦列を離れていた新田祐大が加われば、ラインの厚みが増す。新山がいつも通りの積極策で主導権を握れば、巻き返しを期すグランドスラマーの新田が貫録を示すこともありそうだ。
山口拳矢、浅井康太の中部勢や、山田英明、庸平兄弟が軸の九州勢も間隙を突く。