• 平塚競輪場 第67回オールスター競輪8/13〜8/18

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅠ 平塚 08/13

窓場千加頼

窓場千加頼

 99年の神山雄一郎(栃木・61期)以来、25年ぶりにファン投票1位の古性優作が2度目のオールスター制覇。近畿の同期ワンツーでの決着になった。窓場千加頼は古性より学年が1つ下ではあるが、補充を除く正規配分では、今年2月の全日本選抜がG1初出場と遅咲きだった。今シリーズが4度目のG1出場とは思えない落ち着きはらった立ち回りは、ひと皮もふた皮もむけたからこそだろう。

脇本雄太

脇本雄太

 1月の平記念二次予選では古性が前を回って2人で準決に進出したが、3月のウィナーズカップ準決では窓場が先頭を務めて、古性を振り切ってのワンツー。決勝ではラインの先頭を務めて、脇本雄太、古性の上位独占に大きく貢献した。古性も窓場の変化を感じ取りながら、優勝会見でこう振り返った。

 「(平記念は窓場)千加頼が自分と番組が一緒になった時に後ろを回りたいって言った。実力的には僕より千加頼の方が強いですし、そう思ったんですけど、メンタル的な部分の成長がまだ伸びしろがあるなって感じた。けど、ウィナーズカップで僕が前でヤル気満々だったんですけど、千加頼が準決で、前で頑張らせて欲しいって言った時にあれって思った。なんかこう強くなりそうって思ったんですけど、そこから一気に才能が開花した。競輪学校の時に初めて見た時の千加頼のインパクトが強くて、こんなに強いヤツがおるんやって思うぐらい強くて、心が折れそうなくらいだった。低迷していた理由もメンタル的な部分でしたし、メンタル的な部分を克服した時に今年は来るなって思ったんですけど、本当に思ったよりきましたね」

 自信に裏付けされたまくりで、4車の北日本勢を仕留めた決勝は準V。賞金も加算して、これで獲得賞金ランクは9位。古性とのグランプリも窓場には視界に入ってくることだろう。

 「(今シリーズを振り返って)オリオン賞は反省点が残るレースでしたけど、2走目からは近畿の厚い層を生かしたラインの走りができたと思う。もっとラインを意識して決勝で味方を増やせれば、自分が新山(響平)君の走りができたと。もっと勝ち上がり方を意識していかないとなって思いました。ここで舞い上がることなく、また向日町に帰って後輩たちと一緒にトレーニングしたい。(このあとのビッグには)これ以上の状態まで仕上げていって、また脇本さんだったり古性さんの前を走ることを意識してやっていきたい」

 ドリームからスタートした脇本雄太は、シリーズを着。近畿ライン3人で上位を独占した最終日は、関東勢を突っ張ってから、松本貴治のカマシを受けて3番手確保からのまくり。最終日に象徴されるように、脚力だけに頼らない変化を求めたシリーズだった。

 「今回は(2走目に突っ張り先行、準決は打鐘からの先行と)長い距離は行けたと思うのですけど。結果的に(準決は)まくられてしまっている。自分の踏んだ感触自体は悪くなかったんですけど、自分の年齢的にも脚力が衰えているのかなっていうのがある。戦法にも変化をつけていかないと思っている。(最終日もすんなりと)引くだけじゃダメっていうのは前から思っていましたけど、今回はそれをとくに感じました」

太田海也

太田海也

 ケイリン、スプリント、チームスプリントの3種目に出場したパリ五輪から中ゼロ日での今シリーズ。五輪では思うような結果を残せなかった太田海也だったが、昨年11月の競輪祭以来となった競輪では3勝をマーク。課題も残したが、それ以上のパフォーマンスでファンを魅了した。

 「前の4走では、自分の弱さが出てしまった。前々に行くべきところで行けなかったのが心残りです。(準決は)脇本さんがカマシに来ると瞬時に思って、飛び付かなきゃって踏んだら流されて詰まって終わってしまった。時差ボケもあったりして、良くないコンディションのなかで来て、気持ちだけで走ろうと思っていた。けど、不甲斐ないレースが続いてしまった。(今後の予定は)いまのところは、なにも決まっていないです。あっ旋の出ている(9月の)共同通信社杯を走ることだけですね。オリンピックが終わって、落ち着くので、日本の競輪に脚をシフトチェンジしていかないといけないと思います。(競輪でも)自分ができることを制限せずに、上を目指していきたい」

山崎芳仁

山崎芳仁

 10、12年に2度オールスターを獲り、G1の優勝を合わせて9回の山崎芳仁が、シリーズ5日目に03年のデビューからおよそ21年で通算500勝のメモリアルを達成した。

 「(通算500勝を達成したけど)そこは意識をしてなくて最善の着と思ってました。ただ、こうやってデッカイ舞台でできたことは家族、仲間に感謝したいですね。ここまで常に一戦、一戦と思ってきて楽しかった。競輪学校には苦労して入ったし、頑張ってもきたんで、どのレースがとくべつにっていうのはない。息子(歩夢・125期)とは一緒に(練習を)やってはいるけど、モガいたりはしていない。(S級の大きい舞台で一緒に走りたい)そういう気持ちがあるんで、自分は落ちないようにして待っているだけですね。あとは息子が勝手に強くなってくれれば。(今後のG1優勝は)難しいでしょうかね(笑)。でも、差し脚はまだあるんで。ここまで21年たっているし、これからもクサることなくやっていきたい」

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