ファン投票第1位は古性優
昨年はG1で3Vの金字塔を打ち立てた古性優作。今年はまだビッグレースでのVこそないものの、決勝は1回も外していないし、G3では3Vを達成している。躍動感にあふれた競走で安定した成績を修めているだけに、初めてファン投票第1位に支持されたのは当然か。21年の平大会に続き2V目を飾り、ファンの支持に応える。ファン投票第2位は脇本雄太で、近畿ワンツーとなった。持病の腰痛と付き合いながらの参戦が続いているので、今年は成績に波があったが、地元の7月福井記念では4連勝を達成。上がりタイムは連日10秒台を叩き出していて、輪界の第1人者の貫禄を地元ファンに誇示した。スピードを遺憾なく発揮できれば、主役を演じられる状態にある。
郡司浩平、北井佑季と今年は2名のG1ウィナーを輩出している地元勢を重視する手もある。全日本選抜の郡司、高松宮記念杯の北井は、いずれも神奈川連係を奏功させてのVゲットだ。郡司、北井ともにサマーナイトでは決勝に乗っていて、両者ともに順調に来ている。松井宏佑、松谷秀幸もいるので、ラインの総合力はかなりのもの。分断策など敵の揺さぶりをはねのけて地元勢が牙城を守る可能性は大いにありそう。南関では深谷知広、岩本俊介も上位進出が期待できる自力型だ。
昨年のチャンピオン眞杉匠は、ファン投票第13位から第6位にジャンプアップ。今回はドリームレースからのスタートとなった。今年は練習中の鎖骨骨折のため出遅れたものの、サマーナイトで優勝を手にしていて、獲得賞金ランキングも第10位に急上昇。2年続けてのグランプリ出場が視界に入ってきた。今年はSS班を手放した平原康多ながら、ダービーで9つ目のG1をゲット。その後は高松宮記念杯での落車はあったが、8月松戸記念❼着は自力も出して悪くなかった。優勝できればグランドスラマーの仲間入りとなるが果たして。
注目は五輪帰りの太田海也だ。自転車競技では、ネーションズカップなど、世界の舞台で大活躍している日本のエース。競輪は昨年のヤンググランプリを制して以来となるが、適応能力が高いので、不安材料にはなるまい。昨年の競輪祭の準決では、北井、新山響らを相手に逃げ切っている。ワールドレベルのスピードで別線を沈黙させるか。松浦悠士、清水裕友にとって太田の参戦は追い風となろう。中国勢が優勝をさらっても不思議ではない。
今年は飛躍を遂げた阿部将大にも魅力を感じる。4月高知記念、6月函館G3でVをゲットすると、7月別府記念では、4連勝で地元ファンの熱い声援に応えた。勝率も昨年の24・7%から今年は45%と大幅にアップ。持ち味の自力攻撃には一段と磨きがかかった。G1では一次予選クリアが最高の成績だが、これは参考にはなるまい。勢いがあるので山崎賢人や嘉永泰斗とともに注目したい。