地元勢が総力を結集
今年の向日町記念も地元が誇る村上義弘、稲垣裕之の2大看板スターが盛り上げる。稲垣は地元記念連覇の期待がかかる。昨年大会の決勝は先制した脇本雄の番手から鋭く追い込んで快勝。近畿の固い絆で村上義と地元ワンツーという最高の結果で締めた。今年はここまで優勝こそないが、戦歴は高いレベルで安定している。6月岸和田の高松宮記念杯のあとに高地トレーニングに参加するなど、不惑を迎えても進化を続けている。地元のアドバンテージを最大限に生かして3度目の地元記念制覇へ一直線だ。村上義は今年に入って度重なるケガに苦しんでいる。それでも7月小松島記念は圧巻の走りで優勝を飾った。同月福井記念でも決勝3着と好走したが、その後の練習中に落車。左鎖骨、左肋骨の骨折で、8月平オールスターは負傷欠場を余儀なくされた。現在は早期復帰に向け、治療を行っている段階だ。戦える状態と判断して出場に踏み切れば、ファンのために持てる力と技のすべてを注ぎ込む。弟の村上博幸は過去に2回地元記念を制した実績を持つ。6月岸和田高松宮記念杯で落車した影響はもうない。万全の状態に仕上げて本番を迎える。川村晃司も7月当地F1で今年初優勝。本来のパワーが戻っている。三谷竜生は5月京王閣ダービー制覇後に落車3回。オールスターも負傷欠場しており、状態面に不安は残る。
地元の近畿勢にとって最大の脅威になるのが 石井秀治、和田健太郎、伊勢崎彰大の千葉勢だろう。石井は6月高松宮記念杯の落車から立ち直り、力強いタテ攻撃を披露している。和田は相変わらず差し脚が切れているばかりか、8月松戸はラインの目標が不在の中、まくり勝負でV奪取とまさにキャリアハイの活躍を見せる。伊勢崎も肉体改造に成功し、今期の競走得点は111点台まで上昇している。連係がうまく決まれば、近畿勢にも対抗できる。
太田竜馬、小倉竜二の徳島コンビも侮れない。太田は8月オールスターでG1初挑戦。準決勝まで勝ち上がり、貴重な経験を積んだ。一次予選は逃げて2着。小倉とワンツーを決めている。小倉は直前の8月和歌山を完全Vとチャンスが巡れば逃さないデキを維持している。
吉田敏洋は6月高松宮記念杯の落車で鎖骨を骨折したが、7月小倉で復帰。まだ本調子ではないが、8月豊橋記念は決勝3着と着実に上向いている。力を付けた川口聖二とのタッグはやはり見逃せないところ。
菅田壱道、永澤剛、菊池圭尚の北日本勢も軽視は禁物だ。