関東SSコンビが強力
平原康多が高い総合力で優勝争いをリードする。平原にとって今年は原点回帰の年といった感じか。昨年は競技の練習を取り入れるなどスピードを求めた時期もあったが、「自分はペダリング、回転で走るタイプ」であることを再確認。1月立川記念で優勝するなど、今年も年頭からロケットスタートを決めている。直前の全日本選抜でも決勝に進出。大会連覇こそならなかったが、勝ち上がりでは上手さと強さを併せ持った平原らしい走りを見せていた。年末はグランプリをはじめ5場所で4度の落車に見舞われた諸橋愛は万全とはいかないまでも立ち直りを見せている。全日本選抜の準決勝で再び落車の憂き目にあったが、幸い怪我は軽傷。全日本選抜2日目のスタールビー賞でもワンツーを決めているこのコンビは強力だ。ここに横山尚則、芦澤大輔らが勝ち上がれば関東ラインはさらに強力になる。
全日本選抜は惨敗に終わった中部勢にとって、ここは巻き返しのシリーズだ。浅井康太は地元のG1で二次予選敗退。立川記念のあとにインフルエンザで体調を崩したこともあり、まだ復調途上の感は否めない。それでも競輪界で平原と双璧をなすオールラウンダー。ここも地元勢をアシストしながら、優勝を狙う。地元のエース、吉田敏洋は全日本選抜の二次予選で落車。大きな怪我はなかったようだが、その影響がどこまで残っているか。竹内雄作、高橋和也と前を任せる機動型もいるが、自力でも十分優勝を狙える実力者。6年ぶり、2度目の地元記念Vへ好条件はそろっている。あっせんしない処置で今年は2月からのスタートとなった竹内だが、高松記念の落車で出鼻をくじかれたのか、続く全日本選抜でも着に終わった。それでも最終日の逃げ切りは力強く、いかに出し切る展開に持ち込めるかが竹内にとっては大事になりそう。ほかにも地元記念に気合が入る高橋、近藤龍徳に山内卓也と中部勢は戦力充実。大挙して勝ち上がって、他地区の強豪を迎え撃ちたい。
全日本選抜で決勝2着の村上義弘が関東、中部の2大勢力に真っ向勝負を挑む。村上は自力でも番手でも安定した成績を残し、今節も野原雅也に川村晃司と前を任せる頼もしい後輩がいる。前記の2地区に比べ、数的不利は否めないが、村上を軸に強い結束力でカバーするか。
S班、桑原大志の存在も忘れてはならない。1月大宮記念はグランプリで落車した影響が残っている感じだったが、続く全日本選抜では着以上に動けている印象だった。松浦悠士は正月の取手を優勝し今年のスタートを切ると、高松記念でも優出と動きは軽快。ここも変幻自在の走りでV候補たちを翻ろうする。
南関勢では和田健太郎、北日本では菊地圭尚も好調を維持。和田真久留、新山響平と前を任せる選手次第では優勝争いに加わってきそうだ。