南関勢が心をひとつに
今年も千葉勢を中心に南関が一丸となって、「滝澤正光杯」を獲りにいく。昨年の決勝は千葉4人で結束したが、佐藤博紀に優勝をさらわれた。舞台が松戸競輪場に変わっても、この大会にかける思いは不変だ。山中秀将に郡司浩平と自力は2枚看板をそろえ、追い込みも和田健太郎、成清貴之に滝澤氏の愛弟子、伊勢崎彰大と、今年も南関勢は大挙して決勝に勝ち上がるだけの戦力はそろっている。自力型はともに近況好調。山中は3月玉野から5連続で記念優出とグレードレースで高い安定感を誇り、郡司は8月小田原記念の優勝から調子も流れも取り戻した。追い込み型のなかで、ひと際気合いが入っているのは伊勢崎だ。66周年の決勝2着が最高成績。8月は松戸、富山で記念連続優出と調子を上げているだけに、今年こそ「滝澤正光杯」で記念初優勝という最高のシナリオを完結させるか。成清は南関勢で唯一、大会制覇の実績がある実力者。和田は自慢のキメ脚で2年連続の優出、そして2度目の記念優勝を狙う。
共同通信社杯決勝で落車に見舞われた村上義弘は、地元の向日町記念を欠場。万全ではない状態で地元は走れないという判断だったのだろうが、まずは寬仁親王牌で状態を判断する必要はありそうだ。
関東勢にもS班の諸橋愛に吉澤純平、神山拓弥と力のある選手がそろっている。吉澤は今期に入ってやや乗り切れない成績ではあるが、随所に力強い走りは見せている。松戸を走るのは2勝を挙げた2年前のオールスター以来。高い勝率を誇るバンクで浮上のきっかけをつかむか。諸橋は7月弥彦記念の優勝でようやく上昇気流に乗ったかと思われたが、8月富山記念の準決勝でまたもや落車。共同通信社杯を欠場するなど体調が気がかりだ。神山もオールスターで2勝を挙げるなどキメ脚健在。そろって勝ち上がれば強力なラインになりそうだ。
原田研太朗も優勝を狙える機動型だ。共同通信社杯でセッティングに苦心していたが、ここまでには時間がある。成績のムラはあるが、やはり一発の破壊力は侮れない。
北日本、九州勢はやや劣勢に思える。しかしながら、北日本は山崎芳仁の追加配分が大きなプラス材料で、菊地圭尚、坂本貴史らと力を合わせて流れを引き込みたい。九州勢は荒井崇博を軸に動ける選手は多い。