競輪界のスターが勢ぞろい
ここ2、3年のG1開催はワールドカップ、世界選などに出場するためナショナルチームの選手が不在の時もあったが、今シリーズはそろって参戦する。しかも記念開催で自慢のスピードを猛アピールしている第113期生の若武者・宮本隼輔、松井宏佑がG1開催に初参戦するとあって、これ以上は望めぬ好メンバーとなった。
それでもオールスター連覇を目指す脇本雄太の優位は揺るぎない。昨年の脇本はオールスター、寬仁親王牌でVをゲットしていて、高松宮記念杯、競輪祭は準V。今年もダービーは4連勝でV、高松宮記念杯の決勝は逃げて5着に沈んだものの、主導権は誰にも渡していない。G1開催の戦績は他を大きくリードしていて、しかも自力勝負によるものだけに数字は素直に評価できる。名古屋はスピードバンクなのも追い風で、世界の舞台で暴れまわっている異次元のスピードでオールスター連覇を達成し、ファン投票第1位で選出された期待に応えよう。近畿勢では村上博幸が年頭から安定した走りを披露している。1月松阪記念、2月奈良記念で優勝すると、7月にはサマーナイトフェスティバルを制し、久しぶりにビッグレースをものにした。古性優作は昨年のオールスター決勝、今年はダービー決勝で脇本雄の番手を回ったが、いずれも脇本が優勝したのに対し、古性は続けなかった。G1初Vに最大の課題となりそうだ。
相変わらず高いレベルで成績安定している平原康多ながら、今年はビッグレースでの成績はやや物足りない。高松宮記念杯、サマーナイトフェスティバルで決勝に乗っているが、いずれも7着に終わっている。調子には問題がないだけに、そろそろ結果を出したいところ。
競技中心のスケジュールのため、今年はまだ3場所しか走っていない深谷知広だが、ダービー着、高松宮記念杯着と脚力は優勝を狙えるレベルだ。地元のG1とあっては思い入れも違うはずで、好発進を決めて2014年の寬仁親王牌以来のG1奪取も考えられる。浅井康太は最近の動きは今一つで、成績もあまりまとまっていない。しかしながら、修正能力は高いだけに、俊敏な立ち回りで優勝争いを賑わしても不思議ではない。
全日本選抜、高松宮記念杯と今年は2Vを達成している中川誠一郎。高松宮記念杯の決勝では脇本雄の仕掛けにきっちり続いて差しただけに、スピード、ダッシュ力には素晴らしいものがある。自力も健在なので目が離せない。
新田祐大、佐藤慎太郎の福島コンビは連係実績が豊富で、高松宮記念杯の初日特選(東日本)ではワンツーを決めている。新田は高松宮記念杯準Vは上がり10秒8のまくりで中川誠に迫っていてスピードは秀逸。後手を踏まされなければ好勝負に持ち込める。
層が厚い中四国勢からも目が離せない。ここに来て調子を上げてきた清水裕友、持ち味の自在戦に一段と磨きがかかった松浦悠士、今年は記念2V、ウィナーズカップで優参と自力攻撃の破壊力を増してきた太田竜馬、百戦錬磨の小倉竜二と多士済々の実力者がそろっている。