連覇を目指す平原康が主役
1日順延があったことにより、寬仁親王牌から中2日の開催となってしまった。主力は連戦の疲れが不安視されるが、それでも安定感抜群の平原康多は信頼できる。スピード強化に成功した平原は今期に入るとぐんぐん加速。8月西武園記念で今年2V目をゲットすると、オールスター着。決勝は新田祐との激しいつばぜり合いの末に力尽き、一昨年の全日本選抜以来のG1Vはならなかったものの、菅田壱を先頭に4車で結束した北日本勢をあわやねじ伏せるかと思われたほどの脚勢を披露した。9月青森記念ではピンピンで勝ち上がりながら準決で落車のアクシデントに見舞われたが、共同通信社杯3着の動きは影響を感じさせなかった。昨年のこの大会は関東5車で結束し、吉澤純を目標にVをものにしている。今回は吉澤は不在だが、同県には先行力を猛アピールしている黒沢征治がいる。黒沢は6月四日市、7月宇都宮で優勝をゲット。ビッグレース初参戦の共同通信社杯では4日間とも先行し、2日目は敗者戦ながら野原雅のまくりを許さず2着に粘っている。関東では吉田拓矢も非凡な機動力の持ち主だ。サマーナイトフェスティバルで決勝に乗ると、オールスター着、共同通信社杯3着などビッグレースで大暴れ。若手機動型と呼吸を合わせる平原の優位は動かない。
1月立川記念で優勝の後はVに手が届いていない清水裕友だが、ダービー準V、高松宮記念杯は決勝4着、共同通信社杯では2着と3回の確定板入り。寬仁親王牌でも決勝3着に入り、賞金獲得ランキングは第5位(10月17日現在)に付けている。グランプリ連続出場に向けて大事な時だし、この後は地元の防府記念も控えている。地元記念に弾みを付けるべく気合十分なはずで、縦横無尽な持ち味を遺憾なく発揮してのV奪取は大いにありそうだ。
高松宮記念杯の落車で鎖骨骨折した郡司浩平は2カ月の欠場を余儀なくされたが、更にパワーアップを遂げてオールスターから復帰を果たし着と決勝進出。その後も勢いはとどまることなく、8月小田原記念、共同通信社杯を連覇すると、9月向日町記念は決勝3着。仕掛けるべきところで動けている印象で、脚力のみならずレース勘も冴えている。南関では根田空史、和田健太郎に中村浩士、山賀雅仁と千葉勢が充実。郡司を軸に結束できればシリーズの一大勢力を構成できる。
地元の9月向日町記念を欠場した村上博幸だったが、寬仁親王牌では三谷竜の仕掛けに乗って5年ぶりのG1優勝を飾った。追加で山本伸一が参戦する点も心強いし、1月松阪記念を目標不在で制していることも強調材料となる。鋭いタテ脚でGレース連覇を狙う。
最近は動きがいい山崎芳仁も侮れない。オールスターは着と準決勝進出、その前後の8月平、9月西武園では優勝している。若手自力型の後ろを回るケースも増えてきたが、十八番のまくりはまだまだ健在。混戦になるようだと一発怖い。