20年のG3レース開幕戦
20年のG3レース開幕戦。S班3名が参戦する好メンバーで、勝ち上がり戦から白熱した戦いが繰り広げられよう。グランプリ2019では、脇本雄、新田祐のナショナルチーム組で圧倒されて持ち味を発揮できず5着に終わったが、最も充実しているのは清水裕友だ。19年はG1大会で4回決勝に進出。残念ながらVには手が届かなかったものの、ダービーと競輪祭は準V、寬仁親王牌3着、高松宮記念杯4着と常に主役級の走りを披露している。19年の獲得賞金ランキングは第4位。飛躍を遂げた1年となったが、立川記念Vからのスタートだった。20年は更なる高みを目指すべく、当所記念連覇を達成して新年も波に乗るか。ここのところ優参が多く、競輪祭でも着と素晴らしい伸びを見せた柏野智典が清水を援護する。直近の12月大宮を着と自力攻撃が冴え渡る島川将貴の徳島勢も侮れず、今節の中四国勢は強大な勢力だ。
輪界を代表するオールラウンダー・平原康多を中心視する手も十分。19年も安定した成績を残していて、G1では3回、G2は2回とビッグレースで5回の決勝進出を果たしている。7年連続、10回目の出場となったグランプリは3着だったが、8番手に置かれる態勢から押し上げた脚勢は平原ならではだった。今シリーズは競輪祭の決勝で関東ラインを形成した吉田拓矢、諸橋愛ら関東勢が充実しているのも平原には追い風だ。吉田は12月佐世保記念で決勝4着など、相変わらず動きは力強いし、諸橋も12月豊橋でVゲットと差し脚好調。競輪祭の決勝は関東ラインを清水裕に分断されている。同じ轍を踏む訳にはいかない。
もう一人のS班、郡司浩平は19年は後半戦の追い上げが素晴らしかった。鎖骨骨折の欠場明けながらオールスターで決勝に乗ると、8月小田原記念、共同通信社杯を連覇。その後も素晴らしい動きで賞金を積み重ね、初のグランプリ出場権をゲットした。競輪祭で落車した影響もなく、俊敏な走りで20年は最高のスタートを決める場面も大いにあろう。19年は10月京王閣記念、直近の12月前橋を含み6Vと素晴らしい成績を残した和田健太郎が郡司とタッグを組む。両者は京王閣記念の準決でワンツーを決めている。
古性優作、村上義弘の近畿勢も好勝負が期待できる勢力だ。両者は12月佐世保記念の準決で連係しワンツーしたのが記憶に新しい。勝負どころで前に出た古性が逃げた太田竜に飛び付くと、3番手から村上が突き抜けた。古性の攻撃的な自在戦が奏功ならその再現は大いにありうる。
園田匠の動向からも目が離せない。12月当所グランプリシリーズは準決を快勝。目標の北津留翼が不発になるも、直線一気に伸びて植原琢-鈴木竜を一蹴した脚勢は素晴らしかった。