躍動感際立つ清水裕
昨年はダービー、競輪祭で準V。あと一歩のところでG1初Vを達成できなかった清水裕友だが、今年はG1初戦の全日本選抜着、タイトルホルダーの仲間入りを果たし、真っ先にグランプリの出場権をゲットした。その後も躍動感あふれる自力攻撃が冴え渡り、3月玉野記念着、ウィナーズカップ着と危なげなく決勝に乗っている。今の勢いなら優勝に最も近いとみて中心視視した。原田研太朗、阿竹智史の徳島コンビはどう出るか。原田はウィナーズカップの初日特選では逃げ切った清水に続いて2着、中四国コンビでワンツーを決めている。ここもメンバー次第では連係がありそうだ。今年の原田は十八番のまくりが面白いように決まっていて、3V含む15勝、勝率は5割を上回っている。清水に前を任せる競走でも、自分で戦っても優勝が狙える状態にある。
佐藤慎太郎、小松崎大地の福島勢に新山響平と実力者がそろった北日本勢を重視する手もある。今年はまだ優勝こそない佐藤だが、輪界を代表するレース巧者らしい競走を演じている。準決4着だったウィナーズカップ以外はすべて決勝に乗っていて、成績は高いレベルで安定している。北日本勢をけん引するのは、昨年の大会覇者である新山だ。新山は66周年大会も制していて、函館はとても相性がいいバンク。ナショナルチームの練習で自慢のスピードに一段と磨きがかかっただけに、主導権を握る可能性は大いにあるはず。北日本勢から優勝者が出ても不思議ではない。
もう一人のS班である村上博幸は、まだ好調と言えるほどの出来ではないものの、全日本選抜では決勝進出、ウィナーズカップは初日特選で2着など、随所でベテランならではの走りを披露している。村上が頼りにする古性優作は調子上向き。3月向日町、同月佐世保と続けて準V、ウィナーズカップは着と決勝進出を果たした。持ち味である強気に攻める自在戦が奏功なら好勝負に持ち込める。
和田健太郎、松谷秀幸、内藤秀久と個性派がそろった南関勢も侮れない。中でも和田は素晴らしい伸びを見せていて、今年はF1戦で2V、全日本選抜、ウィナーズカップは決勝に乗っている。当所は68周年大会で記念初Vを飾った思い出のバンクでもある。もつれるようだとまくりが飛び出す場面も。松谷秀幸も2月奈良記念では平原康の逃げを差して優勝しており、好位置占めると怖い。
中部勢はやや手薄な感じだが、攻め口多彩な吉田敏洋の動向には注意したい。全日本選抜は着で準決進出、ウィナーズカップでは着と優参を果たしている。うまくレースの流れに乗れれば一発あってもおかしくない。