松戸記念初のナイター開催
今年は年頭からSS班の貫禄を示している平原康多、清水裕友を重視するのが自然だろう。ともにオールスターで二次予選敗退し、シリーズを途中欠場してしまっているだけに、巻き返しを図る開催となる。
本命に推した平原は輪界を代表するオールラウンダー。成績は高いレベルで安定していて、7月弥彦記念着では郡司浩、佐藤慎、諸橋愛らの強豪を相手に今年3つ目の記念Vをゲットした。今年の連対率は7割に迫る勢いで、昨年の48・8%を大きく上回っている。関東の若手自力型には前を任せるレースが増えているが、今シリーズの関東勢は上位クラスの自力型が少ないので、自分で戦うレースが多くなりそう。ただ今年の記念3Vはすべてラインの先頭で戦ってのものだけに、信頼できる。不安材料はオールスター初日に落車した影響だけだ。
対峙する清水裕友も今年の成績は素晴らしく、平原を上回っているほど。G1全日本選抜、G2サマーナイトとビッグレースで2V、記念も立川、久留米で優勝をものにしている。レースの組み立てが積極的で、仕掛けるべきところで動けているので後手を踏まされるケースは少ない。俊敏な立ち回りから自力を出してのVゲットは十分だ。清水には西日本スジで井上昌己が続くか。今年はまだ優勝に手が届いていないが、7月久留米では連勝で優参するなど動きは悪くない。
迎え撃つ地元勢は和田健太郎、岩本俊介、鈴木裕、山賀雅仁と層が厚い。中でも和田はビッグレースで大活躍。昨年の寬仁親王牌から今年の高松宮記念杯まで5開催続けて決勝に乗っていて、高松宮記念杯では準Vと好走した。機動力がある面々ばかりなので幅広い作戦が立てられるはずで、地元勢から優勝者が出ても不思議ではない。61周年大会の鈴木以来となる地元覇者誕生に期待がかかる。
2019-2020UCIトラックワールドカップ第4戦、第5戦のチームスプリントで連続金メダルの深谷知広の単にも魅力を感じる。トップスピードの高さから考えると、本業である競輪の成績は今一つの印象もあるが、当所では14年にサマーナイトで優勝している。好スパートを決めれば久しぶりのV奪取もありそうだ。
もう一人のSS班である村上博幸は相変わらず安定プレーを演じている。7月富山記念着は危なげなく優参を果たすと、決勝は先行策を敢行して同郷同期の稲垣裕の優勝に貢献した。ここは練習仲間の山田久徳とタッグを組んで勝機を見出す。
新山響平、山崎芳仁、内藤宣彦の北日本勢も忘れてはならない。新山は7月サマーナイトで見せ場なく敗れたが、続くオールスターではオリオン賞、最終日の優秀と逃げて2連対している。タイミングよく仕掛けて主導権を握れば好勝負に持ち込んでもおかしくない。台風の目と化すか。