賞金レース独走する松浦悠
獲得賞金ランキングで2位以下を大きく引き離しトップを快走している松浦悠士。G1はオールスター、G2はウィナーズカップ、そしてG3は和歌山、高松、武雄で優勝を飾っていて、今年はGレースで5Vを達成している。展開に即応できる機敏さがあるので、立ち遅れるレースが少ないし、最後まであきらめない粘り強さも相まって、今年の3連対率は驚異の82・6%。ステージの高いレースばかりを走っての数字だけに特筆もの。9月は3場所に出走し、今シリーズは決勝まで強烈なスピードレースの連続だった寬仁親王牌から中4日なので疲労には一抹の不安が残るものの、修正能力の高さには定評があるので、本領を発揮して主役を演じるとみて本命視した。
関東勢の軸になる平原康多も有力な優勝候補だ。今年の平原は持ち味の自在戦が冴え渡っている。ビッグレースでのVこそないものの、全日本選抜で準V、記念では大宮、松山、弥彦と3Vを達成していて、現在の獲得賞金ランキングは堂々の4位。ただ、共同通信社杯では初日に落車し欠場し、寬仁親王牌での動きを見てもまだ本調子にはない。東京に移籍した鈴木竜士は当所がホームバンク。今回は初の地元記念参戦となるだけに、いつも以上に気合が入る。平原と連係した時の前後は流動的で、高松宮記念杯の初日東日本特選では後ろを回ったが、6月取手記念の初日特選、準決はともに前で戦っている。いずれにせよ、好位置占めれば好勝負に持ち込めよう。吉澤純平を加えた関東勢からも目が離せない。
今年はまだVに手が届いていない佐藤慎太郎だが、相変わらず安定感は抜群だ。共同通信社杯2着、9月青森記念着など、レース巧者ぶりを発揮しての連がらみが多い。同県の高橋晋也が調子を上げているのも佐藤には心強い。9月青森記念1着、決勝は福島ラインの先頭で積極的に駆けて新田祐、佐藤の福島ワンツーに貢献している。北日本勢では菅田壱道も動きがいい。オールスターでは一次予選、二次予選を連勝で準決に進出、その前後の8月取手、9月青森ではVをものにしている。
近畿勢ではオールスターで決勝3着と善戦した古性優作が動き鋭い。早めに仕掛けたときの末脚の粘りはもう少し欲しい気もするが、勝ちパターンである俊敏な立ち回りから好位置を奪取してのまくりは破壊力抜群。地元の9月向日町記念を欠場した村上博幸は、共同通信社杯も一次予選5着で2日目から欠場。好調には程遠いものの、寬仁親王牌での走りを見る限り、戦える状態にはありそう。
波乱を呼べば北津留翼、園田匠の福岡勢だろう。北津留は8月広島、9月防府を連覇すると、共同通信社杯1着と2連対。一次予選では松浦悠の逃げをまくりで仕留めるヒットを飛ばした。園田も共同通信社杯、9月青森記念と続けて決勝に乗っていて伸びがいい。
カマシ、まくりに威力がある岩本俊介も一発を秘める。8月松戸記念を優勝、共同通信社杯を優参など最近はヒット連発を連発中だ。