松浦悠が新年も好ダッシュ
令和2年に最も高いレベルで成績をまとめたのは松浦悠士だ。グランプリまでに85走して勝率42・3%、連対率62・3%、3連対率83・5%という素晴らしい数字。しかもグレードの高い競走ばかりを走っての数字だけに高く評価できる。ビッグレースではウィナーズカップ、オールスターを制覇した。初めてSS班となり、更に進化を遂げた印象がある。12月も別府記念に参戦しており、自力攻撃に徹して着。グランプリに向けて順調に来ていた。スピードの切れ味には素晴らしいものがあるし、動きが俊敏なので常に持てる力を発揮できている。最も信頼できるとみて本命視した。
浅井康太も輪界を代表するオールラウンダーのひとり。残念ながら2年連続でグランプリ出場を逃がしたものの、令和2年は記念開催で4Vを達成している。12月別府記念着では準決、決勝と松浦を2タテした。別府記念のVは昨年33勝目で勝率は45・2%を誇っていて、一昨年の24・3%を大きく上回っている。今の脚勢なら打倒松浦の一番手だろう。
強豪を迎え撃つ地元勢も戦力に不足はない。古性優作、稲川翔、神田紘輔とそろっている。エース格の古性は令和2年後半から調子を上げていて、F1戦ながら3連覇すると、オールスター、競輪祭で決勝に進出。12月別府記念着の初日特選では、今シリーズも顔が合う松浦、浅井、園田匠らを撃破している。当所記念が開催されるのは平成28年12月の67周年大会以来だが、この時の優勝者は古性だ。連覇を目指し闘志を燃やす。稲川は9月岐阜記念の落車でやや調子を落としていたが、競輪祭は着と好走。本来の伸びが甦ってきている。チャンスが巡ってくればものにできる状態にある。地元勢にとっては大型新人・寺崎浩平の存在は心強い。寺崎はF1戦で圧巻の5Vを達成しているし、ビッグレースでも毎開催で勝ち星をゲット。非凡なスピードを遺憾なく発揮できれば、近畿勢から優勝者が出る可能性は大いにあろう。
和田健太郎は初めてSS班となって迎える新年初戦となれば気合は倍増か。令和2年は全日本選抜、ウィナーズカップ、高松宮記念杯、そして競輪祭とビッグレースで4回の優参を果たしていて、11月防府記念、12月千葉記念in松戸はともに準Vなど、素晴らしい成績を修めた。しっかりした位置取りと差し脚で優勝争いに加わってこよう。南関の自力型は和田真久留だが、12月川崎で落車し暮れのグランプリシリーズを欠場。体調には一抹の不安が残る。
もう一人の新SS班である守澤太志も令和2年は年間を通じて素晴らしい伸びを披露していた。ウィナーズカップで準V、オールスター、寬仁親王牌で決勝進出などビッグレースで存在感を示している。11月岐阜では注目度抜群の新人・山口拳を相手に逃げ切りで優勝をゲットするなど、随所で機動力も発揮。小松崎大地、阿部力也らと北日本ラインを形成してVを睨む。