四国勢に期待も大接戦
大幅なメンバー入れ替えがあり、出走予定だった郡司浩平、清水裕友のS班2人も欠場に。大幅に勢力図は塗り替わり、V争いの行方は不透明となったが、重鎮・小倉竜二を軸に、原田研太朗、松本貴治と2枚の強力自力型を擁する四国勢に期待する手か。中でも松本は勢いがあり、1月松山記念決勝では島川将を利しての2段駆けながらも、松浦悠、郡司らS班を撃破した。原田も1月広島着、同月岐阜着など動きがいいし、小倉は1月四日市では貫禄の3連勝と差し脚好調。この3人の中から優勝者が出るか。
近畿勢ももちろん、チャンスに燃える。三谷竜生、村上博幸、稲毛健太と実力者がそろっていて、当所記念では三谷が67周年、村上も68周年を制している。中でも三谷は復活宣言の場としたい。なかなか絶好調とはいかないが、1月当所着など戦う態勢は整ってきている。メンバーによって柔軟に戦法を使い分けて納得の結果を出せるか。競輪祭で落車した村上は1月豊橋記念から復帰。準決では野原雅の逃げに乗り松浦らに勝っている。地元の三谷を盛り立てつつ勝ち負けに持ち込める状態だ。
僚友の郡司が欠場になったのは痛いが、和田健太郎は昨年のグランプリチャンプとして責任を全うしたいところ。今年初戦の1月和歌山記念着は変なプレッシャーは感じさせない“らしい走りを披露していた。積極果敢な大石剣士が勝ち上がってくるのが理想だが、不在なら前々自在戦で活路を切り開く。
もう一人のSS班・佐藤慎太郎は、相変わらず安定プレーを演じている。1月大宮記念は伸び今ひとつの感はあったものの、着とまとめた。直近4カ月の3連対率は83%で素晴らしい数字だ。和田と同様、今シリーズは北日本勢の上位陣に自力型が手薄なので、位置取りが鍵になりそう。たとえスジの目標が不在でも、的確なコース選択と鋭い差し脚を発揮しての突っ込みには注意したい。
関東勢も強力だ。ラインの先導役は吉澤純平、坂井洋。吉澤は1月京王閣での落車の影響がなければシリーズ屈指の機動型だし、2月西武園を制して乗り込んでくる坂井は旋風を巻き起こすかも。鈴木竜二も落車明けとなるが、好目標を得て悲願の記念初Vへ視界は良好だ。さらに関東には、宿口陽一、武藤龍生の埼玉勢もいて、とにかく陣容は豊富。
地元の責任感を背負って1月豊橋記念を優勝した吉田敏洋もV候補の一人。