SS班4名の豪華メンバー
オールスターの走りで多少は評価が変わってくる可能性はあるが、信頼性が最も高いのは松浦悠士だ。松浦は今年もG戦線をリードしていて、ダービー、サマーナイトフェスティバルとビッグで2V。記念開催では圧巻の5Vを達成している。獲得賞金ランキングは2位の郡司浩に約5千万円の差を付けてトップを突っ走っている。自力勝負が基本ながら、サマーナイトフェスティバルの準決で前を任せた太田竜馬との連係が叶うようならここも番手戦か。その太田は今ひとつの時もあったが、自慢の快速が甦ってきた印象だ。一次予選敗退もダービー着、高松宮記念杯着とG1で機動力を猛アピールしているし、7月小松島では地元記念Vをものにしている。短走路なので主導権さえ握れれば好勝負に持ち込めよう。
新田祐大、佐藤慎太郎の福島SS班コンビを重視する手もある。新田は東京五輪に出場した今年はまだ本業の競輪には参戦していないが、4日制以上のG1で7Vを達成していて、グランドスラム(寬仁親王牌)に王手をかけている。当所は15年にオールスターを制覇したゲンのいいバンクでもある。ワールドクラスのトップスピードを遺憾なく発揮ならあっさり勝ってもおかしくない。佐藤はベテランならではの安定プレーが光る。今年はまだ優勝には手が届いていないものの、ダービーの決勝は松浦、郡司とデッドヒートを演じて3着、その後も高松宮記念杯、サマーナイトは決勝進出。新田の鋭い踏み出しに付け切れれば優勝も見えてくる。
地元勢も戦力は充実している。SS班の和田健太郎をはじめとして岩本俊介、根田空史、野口裕史など強力な自力型がズラリとそろう。今年の和田は全日本選抜で準Vと気を吐いたものの、度重なる落車に見舞われていて、なかなか波に乗り切れていない。地元記念で浮上のきっかけをつかむか。昨年のこの大会の覇者である岩本は、当所はドル箱バンクだ。12月にも千葉記念in松戸を着で制している。うまくレースの流れに乗って自力を出せれば一発あっても不思議ではない。
自力攻撃に一段と磨きがかかった吉田拓矢も侮れない。高松宮記念杯で準Vと好走すると、6月久留米記念は着で昨年12月佐世保に続き記念2V目をゲット。更にサマーナイト着、7月弥彦は3連勝と勝ち星を量産している。豪快な一撃を決めて台風の目と化すか。関東勢はサマーナイトの最終日に関東作戦を成功させた黒沢征治と諸橋愛が今節も一緒。思い切りよく飛び出した黒沢を番手の吉田が自力に転じて諸橋と関東ワンツー。郡司、浅井康、太田ら錚々たるメンバーを撃破している。諸橋、黒沢ともに調子は良好なので、関東勢の動向には注意したい。