S班中心に激戦必至のV争い
復帰した10月熊本記念2日目以降から腰痛により欠場を余儀なくされた脇本雄太は、今シリーズも欠場となった。近畿勢にとって、またファンにとっては残念な知らせだが、オールスターの決勝で脇本の逃げを差してタイトルホルダーの仲間入りを果たした古性優作が、近畿勢を担い奮起しよう。その後は3場所欠場したが、10月平塚記念着の走りは力強かった。チャンスが巡ってくればものにできる状態なので、G1連覇は大いにありそうだ。
獲得賞金ランキングでトップを突っ走っている松浦悠士は、8月松戸記念では逃げ切りで今年のグレードレース8V目を達成した。だが、向日町記念、共同通信社杯と立て続けて決勝を外したのは気がかり。共同通信社杯の一次予選は4番手確保も仕掛けられずの7着、らしくない競走だった。修正能力は高いので立て直してくるか。盟友の清水裕友は動きに力強さを増し、コンスタントに優参は果たしている。ただ、決勝では大きな数字が目に付くのは気になるところ。
8月は2場所欠場した郡司浩平だが、徐々に調子を上げてきている。共同通信社杯では3連勝で決勝に乗ると、平塚記念は新田祐大、清水、古性ら錚々たるメンバーを撃破して地元Vをゲットした。全日本選抜でV、ダービーは準VなどG1大会の成績は素晴らしく有力な優勝候補だ。南関勢では深谷知広も目が離せない。8月小田原記念で落車したが、9月青森記念着の走りは影響を感じさせなかった。当所は第23回大会を制したゲンのいいバンクでもある。
関東勢はSS班の平原康多を筆頭に地元の諸橋愛、鈴木庸之、高松宮記念杯準Vの吉田拓矢と充実のラインナップだ。今年は落車が多い平原ながら共同通信社杯着の動きは悪くなかった。諸橋は堅実な位置取りと差し脚で成績を高いレベルでまとめている。オールスターは準決進出、共同通信社杯では3回確定板入りを果たしている。当所記念では3連覇の実績もあり、好位置占めれば連に浮上してきそうだ。
共同通信社杯着。ビッグ制覇の最速記録を塗り替えた山口拳矢は、最も勢いがある若手レーサーだ。スピードの切れ味には素晴らしいものがあり、超エリート街道を驀進中。G1大会ではまだ決勝に乗っていないものの、一戦ごとに力を付けているだけに主役を演じても不思議ではあるまい。
守澤太志は不在でも、S班の新田、佐藤慎太郎を軸に結束する北日本勢も黙っていない。