主役は快速誇る新田祐
自転車競技が中心のスケジュールのため、本業である競輪の出走回数は少なく、7年連続、8回目のグランプリ出場は成らなかった新田祐大。まだ競輪の感覚を完全には取り戻していないのか、ややぎこちない運行が散見するものの、ワールドクラスのスピードはひときわ光る。優勝には手が届かなかったが、オールスター、共同通信社杯、寬仁親王牌で決勝に乗っている。当所は14年に共同通信社杯、17年にはサマーナイトフェスティバルを制したゲンのいいバンク。自慢のスピードを遺憾なく発揮して別線を捻じ伏せよう。新田の後ろは成田和也の指定席。オールスターの準決では深谷知広、佐藤慎の3番手から突き抜けるなど、随所で鋭い差し脚を披露している。11月立川決勝での落車が問題なければ福島ワンツーは有力だ。
深谷も自転車競技では世界の舞台で大活躍していて、スピードは新田に引けを取らない。当所は11月に参戦して着、準決は不覚を取ったものの、優勝はきっちりものにしていて、静岡に移籍後では初となる地元Vをゲットした。タイミングよく仕掛けて主導権を握れは押し切り十分で、65周年に続き大会2V目達成は考えておきたい。渡邉雄太は68周年大会の覇者。今年は3月に参戦して3連勝しており、地元戦にはめっぽう強い。自力勝負が基本も深谷との連係が叶うようなら番手戦か。深谷の踏み出しにきっちり続ければ首位に躍り出る場面も大いにあろう。
スピードなら北津留翼も一級品。競輪祭は着と決勝に進出していて、中でも準決で眞杉匠の逃げを4番手からまくった新田を更にまくりで仕留めた脚勢は圧巻だった。今年はGレースでのVはないものの、11月末までに39勝を挙げており、仕掛けがツボにはまった時の破壊力には素晴らしいものがある。自力勝負でも一発怖いが、10月武雄、11月福井でVゲットと波に乗る上田尭弥を目標なら展開の利を得られる可能性もある。
注目株は寺崎浩平だ。競輪祭は最終日一般戦の1勝に終わったように最近の調子は今ひとつの感もあるが、トラック短距離の強化指定選手でありポテンシャルの高さは疑う余地はない。天性のスピードを遺憾なく発揮して台風の目と化すか。ここのところ差し脚好調な村田雅一が寺崎と近畿ラインを形成する。
今年は低空飛行が続いていた原田研太朗だが、ここに来てスピードが甦ってきた。遅ればせながら11月別府で今年の初Vを飾ると、その後は同月小松島着、12月武雄G3は着と勝率が急上昇。主導権争いが激化して展開がもつれるようだと、十八番のまくりが飛び出しても不思議ではない。