主役は譲れぬ松浦悠
初めてダービーで優勝し、3年連続となるグランプリ出場を決めた松浦悠士。今年は他にもサマーナイトフェスティバル、記念開催で6Vを飾っていて、Gレースで圧巻の8Vと素晴らしい成績だ。9月あたりからやや調子を落としていたが、競輪祭では着で決勝に乗っていて、軌道修正に成功している。もちろん自分で戦っても優勝は十分に狙えるが、同県の町田太我との連係が叶うようなら前を任せよう。66周年に続き大会2V目を達成し、暮れの大一番グランプリに弾みを付ける。その町田は今年は勝ち星を量産していて、5V含む44勝を挙げている。しかしながら、競輪祭では5走して確定板入りなしという不本意な結果に終わっただけに、地元記念でリズムを好転させたいところ。
守澤太志も今年は年間を通して充実していて、獲得賞金ランキングは第8位。2年連続となるグランプリの出場権をゲットした。まくり兼備の鋭い差し脚、的確なコース選択には定評があり、今年の3連対率は63・5%を誇っている。タッグを組む渡邉一成は競輪祭着、一昨年のオールスター以来となるG1優参を果たした。渡邉が好機に仕掛けて主導権を握れば守澤に出番が巡ってくる。
野原雅也を村上博幸、南修二が援護する近畿勢も強力なラインだ。競輪祭では二次予選Bで敗退し、4走目特選の1勝に終わった野原だが、寛仁親王牌では初のG1優参を果たしている。トップスピード、ダッシュ力は一級品で、自力攻撃の破壊力はSS班の自力型に見劣りしない。この大会は昨年の68周年を制覇しており、大会連覇に闘志を燃やす。今年はまだ優勝が無い村上。しかしながらオールスター、競輪祭ではいずれも準決に駒を進めていて、チャンスが巡ってくればものにできる状態にある。南は好調時のような伸びではないが、位置取りの確かさは相変わらず。近畿ラインがレースを掌握なら連浮上もありそうだ。
もう一人のSS班である和田健太郎は競輪祭着、二次予選A以外は確定板入りを果たしている。今年は落車が多く、なかなか調子が上がってこない印象ながら、展開が向けば勝ち負けに持ち込める状態には戻っている。同県の根田空史とのタッグで優勝を狙う。
注目株は山田庸平だ。最近は地力強化を感じさせる走りを披露していて、G1大会でも存在感を示している。寬仁親王牌着では昨年に続き決勝進出を果たすと、競輪祭は着。優参は成らなかったものの、一次予選1、2を連勝してダイヤモンドレースに乗っている。持ち味の自在戦が奏功すればG3初Vを飾っても不思議ではない。直近4カ月は自力による連がらみはない中本匠栄だが、伸びはまずまずだ。ここは山田に前を任せて突っ込みを図る。