躍動感あふれる古性優
輪界トップの豪脚を誇る脇本雄太の名前がなく、優勝候補は五指に余る大混戦だ。ビッグレースでの実績を重視して、本命には古性優作を推した。今年は全日本選抜、高松宮記念杯で優勝していて、早くもG1で2Vを達成。優勝を獲れなかった開催もウィナーズカップ着、ダービー着と危なげなく決勝に乗っており、ビッグレースでの成績は素晴らしい。調整能力に長けているので、大舞台では常に持てる力を発揮できている印象がある。持ち味である縦横無尽な立ち回りで初の「夜王」に輝く。浅井康太は全日本選抜の決勝、ダービーの一走目特選で古性をマークしている。ここも連係が叶うようなら、中近ラインでタッグを組む可能性は高い。ダービーの特選では古性は不発も直線鋭く伸びて勝ち星をゲットした。古性の仕掛け次第では逆転望める。
成績を高いレベルでまとめている松浦悠士を軸にする手もある。2月奈良、4月川崎と記念で2V、ビッグレースでは優勝に手が届いていないものの、全日本選抜、ウィナーズカップはいずれも準Vと気を吐いている。盟友の清水裕友、連係実績の豊富な太田竜馬ら中四国勢で好連係を決めれば、昨年に続きサマーナイト連覇は大いにあろう。
最近は力強い走りを披露している郡司浩平も有力な優勝候補だ。高松宮記念杯着の決勝は、小松崎大の番手で佐藤慎太郎と勝負も競り負けたが、勝ち上がり戦は安定していた。続く6月久留米記念は着。決勝は4分の1輪北津留翼に及ばなかったものの、九州4車VS単騎の戦いで競走内容は悪くなかった。深谷知広、和田健太郎らと南関ラインを形成し、この大会初Vを睨む。
北日本勢はSS班の佐藤、守澤太志の追い込み型に自力型はスピード自慢の新田祐大、新山響平とバランス良くそろっている。今年の佐藤は勝率が高く、差し脚に威力を増した感があるし、守澤は佐世保全プロ記念競輪着でスーパープロピストレーサー賞を制している。新田はダービー前検日の指定練習で落車、高松宮記念杯から復帰も動きは重かったが、新山はまずまずの走りだ。
関東勢は吉田拓矢、平原康多、宿口陽一のSS班3名に眞杉匠と強大な戦力を誇る。ただ、吉田、眞杉の茨栃勢は順調に来ているのに対し、平原、宿口の埼玉コンビは、両者ともに高松宮記念杯で落車のアクシデントに見舞われている。初日の動きに注目しておきたい。
波乱を呼べば九州勢か。中川誠一郎、荒井崇博、山田庸平、井上昌己と個性派がそろっている。仕掛けがツボにはまった時の中川の自力攻撃は破壊力抜群だし、荒井はダービー着、高松宮記念杯着とG1で連続優参を果たすなど、素晴らしい伸びを披露している。